2004年4月28日。羽田空港は混乱に包まれた。滑走路に男が侵入。当然飛行機は飛ばない。その中に自分でも例がない大きな旅の企画を抱えた私がいた。長い旅路の幕開けに幕が開かなかったような状態である。最終的には4月29日の夕方までに出発点の広尾にたどり着けたが、出鼻は大きくくじかれた。
その他にも、この旅はトラブルが多かった。大きなものだけでもこれくらい。
原因が自分にあるものもあるが、不可抗力であるものもある。伯耆大山での車両故障は、その後の予定に大きな影響を及ぼした。
私も学生の頃は鉄道に乗ってばかりの旅というのも好んでしていたが、近頃ではその嗜好は弱くなってきている。特に混んでいる列車に乗るのは苦痛以外の何ものでもない。そして、この旅の費用。計算はしていないが、けっこうな額になっていると思う。そこまでして行った旅を終え、その末に見た答えは何か。正直よくわからない。よくわからないが、何か大きなことをやり遂げたという感触はある。
この旅を終え、ただただ先達の偉大さを感じた。自分が年齢や経験を重ねても敵わないだろうと感じることは多い。ただ、感性は一人一人異なる。そこに優劣をつけるのは難しい。私は自分の感性を大事にしていきたい。