文章の杜 鴻池語録

2003/09/08(mon)

今、もっとも注目すべき閣僚といえば、鴻池祥肇大臣であろう。ここ数ヶ月の鴻池大臣の発言についてまとめてみた。

「親なんか市中引き回しの上、打ち首にすればいいんだ」
長崎の少年による殺人事件を受けての発言。世間の反響の大きさに「それは例え話だ。僕は東映映画が好きだから」とやや苦しい言い訳。ただ、否だけではなく賛の反応もあったという事実もあった。私は当時、「土屋県知事に対する発言だそうです。(憶測)」と書いて、この発言自体に対しての賛否は明らかにしなかった。確かに、被害者の家族の感情としては、「市中引き回し」も理解できなくはないけど、第三者、しかも政治家がそんな発言してはいかんでしょう、というのが、私の意見。
「4人の少女の話も、加害者であるのか、被害者であるのか、よく分からない状況だ」
東京の女子監禁事件を受けての発言。この発言も反響が大きく、「長崎の事件では少年が加害者になり、今回は被害者になったということを言いたかった。言葉足らずで誤解を招いた」とまたも苦しい言い訳。結果的には1人が加害者で3人が被害者だったみたい(1人が3人を誘ったらしい)だが、そういうことも含め、すっかり「消された」事件になってしまった。それにしても、この発言を受けての社民党福島幹事長の「渋谷に出かけて行く方が悪い、男性に声をかけられてついていく方が悪いという誤った意識が根底にある。」というのは、渋谷に出かけるのはともかく、男性に声をかけられてついていくのは、間違えなく悪いでしょう。知らない人についていってはいけない、というのは基本中の基本だったはずなのにね。
「日本人です」
8月15日に靖国神社に参拝し、マスコミに公人として参拝か私人として参拝かを聞かれたときの発言。本当、この質問ってくだらないよな。そういう質問をあしらいつつ、嘘は言っていないという点で、なかなかポイントが高い発言だ。来年も同じ質問を答える機会があったら、「日本人です」と答えるのかな。閣僚がみんな真似したりして。石原都知事は「東京都知事・石原慎太郎」と身も蓋もない返答をしていたが。
「モーニング娘。特区」
このフレーズ自体、鴻池大臣本人が思いついたのかは不明だが、今まで午後8時までだった子役の出演時間延長を行う特区に「モーニング娘。特区」と名前をつけたはいいものの、担当の坂口厚労相はモーニング娘。自体知らなかった、という顛末で、結局、特区に限らず全国一律で子役の出演時間延長が実現する運びになった。他にも鴻池大臣は内閣委員会の答弁でもモーニング娘。の名前を出している。

これだけの期間でこれほどまでに印象に残る発言を重ねてきた大臣はそうはいないだろう。これからも、鴻池大臣の発言に注目していきたい。


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