文章の杜 悪徳商法にひっかかる人

2002/10/18(fri)

「悪徳商法マニアックス」を見ていて、なんで悪徳商法なんかにひっかかる人が多いのだろう、なんて考えていたら、自分がひっかかりかけたことを思い出した。

当時はまだ大学生で今よりも純粋な青年であった。あれからだいぶ汚れてしまった気がするが、そんなことはさておき、私がターゲットにされたのは、国際コミュニケーションサービスという会社で、Togeter Netという名前を出されたのだけど、なんか色々な名前を使いわけているみたいだ。国際コミュニケーションサービスという名前は、私を勧誘した人からもらった名刺で明らか。その名刺は今でもある。ちなみに女性。仮にAさんとしておこう。ちょうど姓の頭文字もAだし。

どういうきっかけでそこに呼ばれたかは忘れてしまったが、渋谷にある事務所に赴いた私。確かAさんの名刺は既に貰っていて、その名前を受付の人に行ったのだと思う。今から考えればなんでそんなところに行ったのかよくわからないが、当時は色々悩んでいた時期で、まあそういう心の隙をつかれたのだろう。

Aさんと向かい合わせで座る。資料を色々持ってきた。小さいテーブルがたくさんあって、中にはソファの席もあったか、同じように勧誘されている人が何人かいた。そこで、パソコンを使ったコミュニティの紹介とか、各地の宿泊施設や各種施設が割り引きになるとか、そういう話を聞く。一通り聞いて入会する気になった。本当に入会する気になったのだ。入会金とかの説明もなんとか払える額だったし、確か学生ということで一般より安かったのではなかったか、とにかく入会する気になったのである。

ところがである、Aさん。一通り聞いて納得した私に向かって、この場ですぐ入会手続きをとれという。これにはさすがにひいた。今さっきシステムの内容について聞いたばかりなのに、今すぐというのは少し無理があるのではないだろうか。さすがにそのくらいの冷静さは持ち合わせていた。私はとりあえず資料をもらって検討した上で、という返答をしたのだが、今すぐ入れば特典があるとか、これは将来を買う買い物だなにを迷っているのか、などと言われるではないか。これで完全にさめた。私はとりあえず入会が決まったら連絡しますと言ってその場を立ち去った。その後、Aさんから電話がかかってきたのだが、丁重にお断りした。

おそらくAさんが決断を急がせなければ、私は入会していたかもしれない。正直、けっこう浮かれていたのだ。誰にも相談することなく、入会手続きに踏み切ったかもしれない。即断即決させるというのがこの手のセオリーなのかもしれないが、慎重というか臆病な私にはかえって逆効果だった。

とりあえず、参考リンクです。→TogetherNetを考える

それにしても、あのフロアにある小さな個室でテーブルトークRPGをしていた人は何だったんだろう。あれでなんか安心しちゃった面もあるので。


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