文章の杜 原付運転免許取得記

2004/01/24(sat)

私は運転免許を何一つ所持していなかった。そのままでもいいかと思ったが、原付の運転免許であれば一日で取得できるし、旅先でレンタルバイクに乗ることもできる。そういうわけで取得してしまうことにした。

原付の運転免許を取得するには学科試験に合格すればよい。9割の正答で合格となる。けっこう高い。とはいえ、私の場合、小学生時代に交通安全の知識に関する訓練を受けたという経験がある。もう十数年も昔のことだが、今でも「原動機付自転車の右折方法(二段階)」を諳じることができるのは大きな武器だろう。そういうわけで、数時間しか勉強しなかった。大丈夫か?

埼玉県の運転免許センターは鴻巣にある。まず鴻巣に行くのがたいへんだった。JR混みすぎ。そして本数少ない。ラッシュと逆方向だからゆうゆう座って勉強していけると思ったが、期待はずれだった。

鴻巣駅に着いたら、これまた異様な光景が。いわゆる免許ビジネスをする人が声をかけていたりした。バスの出発時間が間もないとわかっていたので一切無視したが、ちらっと「免許センターの収入証紙売場には行列がある(だからうちで買え)」と言っていたような気がした。しかし、私が行ったとき、免許センター内の収入証紙売場は空いていた。

駅から免許センターに行くバスも混んでいた。川越観光バスで運賃は170円。数分で到着。免許センターに入って書類書いて受験料の印紙を買って貼って受付して視力検査をした。ここまであっと言う間。流れに流されると息つくひまもない。ここから学科試験会場に入る。会場に入る前にトイレに行っておけと書いてあったので行っておく。会場に入ると参考書すら読めないのではないかと思っていたが、そこまで厳しくはなかった。ただ、会場に入るやいなやトイレに行こうとする人がいたりした。この人は係員に制された。なるべくトイレは大丈夫か聞くようにしていたようだが、そこまでいちいち聞く必要があるのかと考えると、情けなくもなる。

試験開始に先立って、問題用紙に必要事項を書くのは当然のことだが、ここで質問をする人が多数いたのにはびっくりした。ここ質問するところかよ、といった感じ。もちろん試験官は誰にでもわかるように説明している。

で、試験開始。30分一本勝負。けっこう苦戦する。15分くらいで既に退出する人がいてびっくりした。私はこの時点で三分の二程度しかできていなかった。結局、30分目一杯使って終了。この時点では合格できる確率は50%くらいだと思った。ニ択だけに。

待合ホールで待っていよいよ結果発表。私の試験番号は0008だったのだが、若い番号はほとんど番号が点灯しない、すなわち不合格というさなか、見事に合格。このとき神に選ばれし人間になったという気になった。合格率は50〜60%といったところか。4高くはないが低くもない。80%正解するのは簡単だが、あとの10%を積み上げるのが難しいといったような問題だった。でも、二択だから運がよければ通っちゃうような。まあ、全く勉強しなければ合格できないのも事実なので、皆さん一生懸命勉強したのだろう。

発表を受けて、合格した人は試験会場に戻るのだが、合格したのに会場に戻らない人がいて、合格が無効になったようだ。もったいない。

会場に戻って成績表が配られる。点数は90点。ぎりぎりじゃないか。説明があったあとで、次は写真撮影。試験番号順に撮っていく。私は2番目だったので、心の準備ができないままに順番が来てしまった。とにかくパッパと撮ってしまうので、この場合順番が遅いほうが有利だ。ちなみにこの順番は試験会場に来た順。前に7人いて1人しか合格しなかったというのも驚くべきことか。

このときの説明によると駅前の「業者」が代書した申請書は、往々にして間違えがあることがあるらしい。あれくらいの書類を金払って書いてもらうことはないと思うが、商売として成り立っている以上は、けっこう利用している人がいるということだろう。

今度は交通安全協会の人の説明。協会に入れという案内。協会加入は任意みたいだが、あの状態では限りなく強制に近い。ただ、免許入れをもらえるので、免許入れを買うと思えばいいことだ。協会の人が交通安全の一般論から急に今後の予定という大事な話にシフトチェンジするので、少し焦った。その後、実技講習と免許交付の手数料を払う。

ちなみに、試験料が1650円。免許交付手数料が1750円。実技講習が4050円。IT系の試験や講習と比べると格安である。

午後からは実技講習。その前に昼食をとるのだが、あまりものが食べられる状態ではなかったので、サンドイッチを買って食べた。免許センター内は食堂や売店がある。勤務している人もそこで食べる。ちなみに免許センターの周りには店らしきものはなかった。また、昼食時間中に確認したことといえば、免許センター内で書類に貼る写真が撮影できること。2枚で500円。ちまたのスピード写真で700円を費やした身としては損した気分だ。もっとも写真を事前に用意しておいたほうがいいのは言うまでもない。そういうばキャッシュディスペンサーもあったな。

実技講習の受付をする際、自分の年齢を言うという試練を受けた。前の人は17。10も齢が上だよ。でも、27には見えないだろう。それがいいことか悪いことかは別にして、ともかく実習。かなりこっぴどく言われるかとも思ったが。それほど怒られなかった。というか、夢中で怒られていることを気にしている余裕がない。それでいいのか。あと、排気ガスを吸い過ぎて気持ち悪くなった。1時間半くらいで講習は終了。参考書には紐のついた靴はよくないと書いてあったのでわざわざマジックテープの靴を買って履いていったのだが、だいたいが紐のついた靴を履いていた。また、靴を含め服なんかも言えば貸してくれるとのこと。その後、話を聞いて、適正問題をやって免許証を受け取る。

帰りは他の試験終了と重なったこともあってバス停には長い行列。ちょうど加須行きのバスが来た。乗り切れないくらいだったが、通路の後ろのほうが空いていたので、そこに立つ。乗り切れない人は次の「すぐくる」という次のバスを待っていた。「すぐくる」バスは10分後だ。

帰りに駅前にある学科試験用の塾をちらっと見ていく。この時間なので当然閉まっていた。驚くべきことに5時半からやっているらしい。5時半だと始発に乗っても間に合わない。別に間に合わせる必要はないのだが。

こういうことをやる要領が悪い私にしては案外うまくいったと思う。免許センターの人は(職業的に必要であるからか)やや高圧的な感じを受けたが、その手際のよさには感心させられた。毎日のことだから当然と言えば当然なのだろうが。ただ、それについていくのには疲れた。


自由活動領域 >  文章の杜 >  体験談 >  原付運転免許取得記