天神日銀前(福岡県福岡市)←bc22 ↓西鉄バス(570円・約30分) 宇美町役場入口(福岡県宇美町) ↓西鉄バス(380円・約25分) 太宰府(福岡県太宰府市) ↓西鉄バス(400円・約25分) JR二日市駅(福岡県筑紫野市) ↓西鉄バス(580円・約40分) 甘木バスセンター/甘木中央(福岡県甘木市) ↓甘木観光バス(410円・約20分) 田主丸中央(福岡県田主丸町) ↓西鉄バス(620円・約50分) 西鉄久留米(福岡県久留米市) →bc39 ↓西鉄バス宗像(540円・約35分) 西鉄八女営業所(福岡県八女市) ↓西鉄バス(1030円・約60分) 西鉄山鹿/温泉プラザ前(熊本県山鹿市) ↓九州産交バス(850円・約90分) 熊本交通センター(熊本県熊本市)→bc24
朝早く、郊外に向かう路線なのであまり人は乗らないと思ったのだが、けっこう乗る人は多かった。このバスは原田橋行きで、旧国鉄勝田線沿いを行くことになる。御手洗や志免など、勝田線の駅名にもあった地名の場所を通る。福岡の近郊だから廃止させなくても良かったのでは?と思うが、実際に通ってみると、思ったよりは住宅の密度は低く、これならばバスで充分と言うこともできる。もちろん、鉄道が残存していれば、宅地開発も進んでいたかもしれないが、無い今にそれを論じても仕方がない。バスの方が鉄道に比べて絶対的に不便かと言われればそうでもなく、バスにはこまめに停車場があるというメリットもある。また、この路線に関して言えば天神まで乗り換え無しで行けるというメリットもあるだろう。バスは行くほどに人が少なくなっていき、宇美に着いたときには3人くらいしか乗っていなかった。
ここからは宇美駅も近く、見学してみる。子どもの団体が駅に集っていった。これから皆でどこかに行くのだろうか。大人数を一度に輸送できるのは鉄道のメリットである。今度乗るバスは西鉄二日市行きのバスである。途中太宰府を通る。勝田線はもともと太宰府までの延伸を目指していたらしい。しかし、筑前勝田までしか伸びずに結局廃線となってしまった。このバスも勝田を通るが、もし駅があったとしたら、いかにもローカル線の終着駅という様相だった。宇美町内で乗る人はわずかだったが、太宰府市内に入ると乗客が増えていった。私も含め、太宰府で降りる人が多く、その中でも多くの人が鉄道に乗り換えていった。例の割引のお陰で実際に支払ったのは300円。
滞在時間はわずかだが太宰府の街を少し歩く。朝早かったのでそれほど人はいなかったが、その中でも修学旅行生が目についた。本当はゆっくりしていきたい場所であるが、時間がないので雰囲気を味わうだけで我慢する。今度乗るバスは西鉄二日市行きで、行き先はさっき乗っていたバスと同じなのだが、経由地が異なる。今度乗るバスはJR二日市駅を経由する。この後に乗るバスはJR二日市駅から出ていて西鉄二日市は通らない。西鉄二日市からJR二日市までバスに乗ってもいいのだが、どうせ下車するならば西鉄二日市よりも太宰府のほうがいい。このバスは遠回りするので、その分だけ時間と運賃が余計にかかる。そういう性格のバスなので、太宰府で乗った乗客は私を含め二人。しかし、この時間帯だからか駅へ向かう人が多く乗客は多かった。「原営業所」を「はるえいぎょうしょ」と読ませるあたりは九州ならではか。太宰府から一緒に乗っていた人も私と一緒にJR二日市で降りた。割引で実際に支払ったのは320円。
今度乗るバスは朝倉街道を延々と杷木まで行くバスである。そんな長距離を走るバスであるが、乗客は私と太宰府から私と同じバスに乗っていた人だけだった。その人もすぐ降りてしまう。朝倉街道駅から乗る人もいたが、ゆめタウンの最寄りバス停で皆降りてしまい、結局その後は甘木まで私一人だった。けっこうバスの本数は多いのだが、寂しい限りである。反対車線はかなり渋滞していたので、逆の二日市方面行きのバスはけっこう遅延していたはずである。二車線であまり広くない道なので、些細なトラブルでもけっこうな遅延になるのではないだろうか。今に限って言えば誰も乗ってこないしスムーズに動いている。甘木市内に入りしばらくして後ろを見ると、次に乗るバスがやってくるではないか。 甘木観光の田主丸行きである。バスセンターというにはわりと簡素な場所でバスは停車。ここで後ろのバスも停まると思ったら、バスは過ぎてしまった。前を見ると、100メートルくらい前にバス停が見えて、そのバスに乗る人も見えた。慌てて走ってどうにか間に合う。 一応、「間に合う」の範疇だった思う。 甘木での滞在時間15秒。
甘木観光のバスは小さめだが新しく、行先表示板も電光である。電光の行先表示板は淡路交通以来か。バスの中に貼ってあった路線図を見ると、病院に寄るような路線設定になっている。このバスも終点は田主丸中央病院で朝倉病院にも寄り道をする。実際乗ってくる人もいた。両筑橋を渡って筑前から筑後へと移るが、今は県境ではないためそれほどの感慨はなし。このバスは田主丸中央、田主丸駅、田主丸中央病院と停まるが、全員が田主丸中央で降りた。
田主丸中央のバス乗り場にはけっこう人が乗っていた。小さい窓口もあり、さすが「中央」である。定時より少し遅れて久留米行きのバスが到着。既にけっこう人が乗っていたが、バスを待っていた人の中でもこのバスに乗った人はそれほど多くなく、座ることができた。古くて大きめのバスだった。久留米に近づくにつれ乗客も増えてくる。立つ人もでてきた。しかも、全員が西鉄久留米で降りた。このバスはJR久留米駅行きである。乗る人もいたみたいだったが。
久留米から熊本県の山鹿まで行くバスがあるはずなのだが、時刻表にその表記がない。訊いてみるとその系統は9月いっぱいで廃止になったという。なんたることだ。どうせダメだとは思いつつ、乗り換えてでも行くことはできないか、と訊ねたら、なんと乗り換えれば行けるとのこと。こんな旅をしているくらいだから乗り換えくらいは何ら問題ではない。ただ、次のバスまでたいぶ時間が空いてしまった。あまりにも時間があったので、昼ご飯を食べて思案した後、甘木まで行って帰ってくることにした。
八女行きのバスはそれなりに混んでいた。しかし、久留米近郊で降りる人が多いようで、だんだん乗客は減っていった。八女まで行く人はほとんどいなかった。広川町内で高速広川のバス停の案内板を発見。高速バスのバス停の案内板は珍しいと思うのだが、九州では当たり前なのかもしれない。前の方に座っていた人は山鹿行きのバスに乗り換えるようだった。
八女の街をぶらぶらした後、山鹿行きのバスに乗るべく八女営業所に戻る。けっこう人が待っていたのだが、乗り換えになってから間もないせいか、どこにバスが着くのか思案している人が割といた。ここにいる以上、おいていかれるはずはないのだが、どのバスがそれだかわからないし、それなりに不安になるものである。そのうち停まっていた一台の大きなバスが少し動いて停まってドアが開いた。かつては観光バスか高速バスとして走っていたと思われるようなバスである。行き先掲示は「西鉄久留米−山鹿」となっていた。車内に入り奥の方に入ると、なんとトイレがついていた。さすがに閉鎖されていたが、それにしてもトイレがついているバスは路線バス史上初めてのことである。もっと後ろの方では高校生が座って寝ている。こんな立派なバスで優雅に通学、などと思ってはいけない。混んでいても、数分待てばやってくる電車で通学する方がいいと思う。少なくとも私はそうだ。その高校生もいつものことなのだろう、自分が降りる停留所になるとちゃんと起きて降りていった。国道3号線をひた走り、ついに熊本県に入る。けっこう八女−山鹿間を通しで乗る人は多かったが、休日でもあるし、平均して考えれば久留米までの直通運行をするほどの旅客需要はないのだろう。恒例の割引もこれで最後。いくらかカードの残高が余ってしまった。
山鹿は温泉が湧いている。予定の時間より遅くなってしまったが、予定通りに温泉に入る。わりとぬるめのお湯だった。さっぱりしたところで、今日最後のバスに乗る。定時より少し遅れてバスはやってきた。山鹿まで行くバスは何系統かあるが、乗ったのは京8系統、新道経由交通センター行きである。植木町内でけっこう乗客が増えて、それ以後もけっこう人が乗ってきた。もう真っ暗になり、何もないようなところからも、やっぱり人が乗ってくる。この時間帯であれば人の流れは逆だと思うのだが。しかも、少し渋滞気味で結局、20分ほど遅れて熊本に到着。最後のバスなのであまり気にはならないが、それでもさすがに疲れた。
途中、ひやっとする場面もあったが、なんとか熊本にたどり着くことができた。熊本バスセンターで熊本県内綜合時刻表を買う。これは熊本県内のバスの時刻表が載っている時刻表で、その内容はかなり濃い。こういうものがあると、路線バスの旅の意欲が沸く。もっとも舞台が熊本なのでおいそれと来られないのではあるが。その後でバスカード1000円分を2枚買うのだが、これが完全に裏目となることに。