熊本交通センター(熊本県熊本市)←bc23 ↓九州産交バス(560円・約45分) 松橋産交(熊本県松橋町)→bc53 ↓九州産交バス(670円・約40分) 八代市役所前(熊本県八代市) ↓九州産交バス(1480円・約105分) 水俣駅前(熊本県水俣市) ↓南国交通(970円・約75分) 阿久根駅前(鹿児島県阿久根市) ↓南国交通(690円・約55分) 川内駅前(鹿児島県川内市) ↓林田バス(900円・約105分) 金生町(鹿児島県鹿児島市)→bz04
朝早く郊外に向かう便だが、まま人は乗っていた。昨日買っておいたバスカードを使う。ここらへんの地理に疎いのでよくわからないが、南へ向かっていることだけは確かである。途中大国駐車場というバス停があって、バスに乗るために自家用車を停めておく大型駐車場かと思ったら、路線バスの駐車場だった。ここらへんは通常であればバスが通らないような細い道を走る。熊本の隣市にしては規模の小さい宇土の街を抜けて、松橋産交に着。JR松橋駅は不知火町だが、松橋産交は松橋町にある。このあたりの要点であるらしく、広めの待合所では各地へのバスを待っている人がいた。
鏡経由の八代行きに乗る。カードをカードリーダーに差し込もうとしたら、なんとカードリーダーがなかった。確かに全てのバスでバスカードを使える保証はどこにもないのだが、このバスは使えると思っていただけに勝手にショックを受ける。結局、買ったカードをだいぶ余らせてしまった。最初は私一人しか乗らず、その後もあまり人は乗ってこない。のべ4、5人といったところか。この時間に八代市内に向かうバスだからかなり混むかと思ったらそうでもなかった。時間があったので終点の八代産交までこのバスにつきあってもよかったのだが、次に乗るバスは長時間ということもあって早めに降りることにする。ちなみに、このバスは八代駅は経由しない。
休日なので市役所は閉まっていたが、八代城が近くにあったので少し寄る。 これから長い時間揺られるバスがやってきた。やや古めのバスで、誰も人が乗っていなかった。途中で家族連れが乗り、その状態で八代駅へ。八代駅からの乗客はけっこう多い。意外に思ったが、日奈久温泉で降りる人が多かったので、納得する。八代から日奈久まではそれほど距離はないし、温泉場から駅まで少し歩くので、お年寄りが利用するならば断然バスだろう。そういうわけで、日奈久温泉を過ぎると客はめっきり減ってしまった。途中、高速道路の工事をしている箇所が見えた。現在の交通量から判断すれば国道でも充分だと思うが、それでもより速く、より便利に、で、もうここまでできあがっている。途中、海が見える箇所もあったりしたが、だいたいは山の間を走っていった。ほとんど人は乗らないままで、水俣に着。思ったよりも寂しい街だった。カードは使えないので現金で運賃を払う。
今度乗るのは南国交通のバス。とうとう鹿児島まで来た実感がする。九州産交は駅前にバスが着くが、南国交通は国道沿いに少し遅れてバス停に到着。昼食を摂る時間がなかったので、パンを買い込む。混んでいるバスの車内で食事を摂るのはひんしゅくものだが、その心配をするほど人は乗っていなかった。5人くらいか。見たところ、水俣市内で買い物をして帰る人たちのようだ。ほどなくして鹿児島県に突入。このあたりでは新幹線の工事をしている箇所を見る。途中、鶴の飛来で有名な出水市を通るが、古びた街だった。米ノ津あたりから国道3号線と離れるが、野田町内で再び国道3号線と合流。それほど人は乗らないまま阿久根に到着。阿久根駅前で降りた。
阿久根で少し時間があったので街の中をぶらぶらする。港につながる道にある噴水がやけに整備されていた。阿久根港からやってきたバスは座席がリクライニングする、けっこう立派なバスだった。阿久根市内で少し人が乗ったが、それでもあまり乗客はいない。牛ノ浜のあたりを通ったあたりが、この旅の中でいちばん海がきれいに見えた。水俣から鹿児島本線沿いの市をいくつか見てきたが、あまりにぎやかな街はなかった。その中において、川内は道沿いに商店やらデパートやらが並んでおり、けっこうにぎやかである。
川内からは鹿児島に行くバスに乗る。このバスは川内駅より少し北の上川内が始点である。上川内から商業地区を経て川内駅に着くようになっている。道が複雑な串木野を通り、市来、東市来を過ぎる。小山田あたりからはJRバスの運行路線と合流。ここまで来るとだいぶ疲れもでてきた。乗る人はさすがに鹿児島へ向かう路線だから少なくはないが、時間帯のせいかさほど多くもない。ただ、定時よりは遅れ気味だったので、途中は間違っていると思うほど速く走ったりもした。どうも、路線バスに乗っていて普通の自家用車並の速度で走られると、違和感を感じるようになってきている。このバスは西鹿児島駅には寄らず、加治屋町あたりから市電と同じ経路をたどり鹿児島駅に進む。明日のことも考え、金生町で降りた。山形屋バスセンターの最寄りバス停である。
熊本から鹿児島まで1日で路線バスに乗り継ぐというのはかなりの荒行であった。この日はかなり酒を飲んだ。翌日も路線バスの旅を行う予定だった。金生町で降りたのはその証拠である。しかし、予定の時間に起きられず、次善の策として考えていた手段も失敗し、この編は鹿児島で終了ということにした。さすがに3日連続で疲れがたまっていたし、鹿児島まで来られただけでも満足である。
九州遠征だと、どうしてもまとまった日程になってしまうのだが、最初にたてた予定が全て通るわけではなく、その為に現地で少しづつ軌道修正をする必要がある。家に帰ってからそれができればいいのだが、日程が連続していると、その場での状況判断が必要になる。理想としては、瀬戸内縦断編くらいの日程なのだが、あれもあれでそこまでの往復の時間、費用が嵩んでくる。
そういう日程の問題があったが、概して九州のバスは乗る気にさせるもので、その点では楽しかった。九州時間表や熊本綜合時刻表のバス時刻表を見て、あの路線に乗りたい、この路線に乗りたいと思っているのだが、なんせ私の自宅から遠いのが難点である。