碧南駅(愛知県碧南市) ↓ふれんどバス(200円・約10分) 平坂港前/港前(愛知県西尾市) ↓名鉄東部交通(260円・約15分) 西尾(愛知県西尾市) ↓名鉄東部交通(660円・約35分) 岡崎駅西口/岡崎駅前(愛知県岡崎市) ↓名鉄バス(220円・約10分) 東岡崎(愛知県岡崎市) ↓名鉄バス(800円・約75分) 足助(愛知県豊田市) ↓とよたおいでんバス(600円・約40分) 稲武(愛知県豊田市) ↓どんぐりバス(200円・約25分) 根羽(長野県根羽村) ↓西部コミュニティバス(200円・約40分) 伍和入口(長野県阿智村) ↓信南交通(580円・約30分) 飯田駅前(長野県飯田市)
短編初の遠征は、愛知県から長野県に路線バスを乗り継いで移動する。特に愛知、長野県境付近では、民間が運行していた路線を自治体が担うようになって、以前に比べて若干ダイヤも改善されて、無理のない路線バス乗り継ぎの旅が可能になった。数年前から行きたいと思っていた、三河から信濃に抜ける路線バスの旅を、満を持して行う。同じ三河でもなるべく信濃から遠いところからと、碧南から旅を始めることにした。
▼吉良吉田駅行き
名鉄三河線の一番電車で碧南まで行く。2004年に廃止となった名鉄三河線碧南〜吉良吉田間の代替バスである。このバスには以前に碧南から吉良吉田まで通しで乗ったことがある。碧南駅から乗ったのは私だけだった。矢作川を棚尾橋を通って渡ると、西尾市に入る。平坂港前で降りる。ここで乗ってくる人がいた。ここは、元々名鉄平坂支線の港前駅があったところだという。なお、平坂は「へいさか」と読む。
▼西尾行き(中畑循環)
バス停名が異なるが、ふれんどバスの平坂港前バス停と名鉄東部交通の港前バス停はほぼ同位置にある。港前バス停のほうが先にあったわけだが、ふれんどバスを開設するときにわかりやすいように「平坂」を頭につけたのだろう。
西尾から、中畑、平坂を回って西尾に戻るバスに乗る。先客が一人いた。時間帯から考えて、西尾に近づくにつれ乗ってくるものかとも思ったのだが、結局、誰も乗ってこなかった。西尾は小京都とも言われて、西尾城跡には以前に行ったことがある。その前も通った。
▼[92]岡崎駅西口行き(岡崎西尾線)
西尾から岡崎に行くバスに乗る。このバスにも乗ったことがある。本当は東岡崎まで行くバスに乗れればよかったのだが、時間があわず、まずJR岡崎駅まで行くバスに乗る。西尾から乗る人は私を含めて4人いた。私以外は、総合体育館・西尾東高前バス停でで降りていった。今日は体育館で何かの大会があるようだった。その後、しばらく一人だったが、中島あたりで乗ってきた。それでも数人程度で、そのまま岡崎駅に着。
▼[11]東岡崎行き
幸田から来た東岡崎行きのバスに乗る。若干遅れていた。JR岡崎駅と名鉄東岡崎駅の間は距離が離れていて、両駅を結ぶバスは多い。もっとも、その間で降りていく人が多かった。東岡崎まで行く人のほうが少なかった。電車通りという名がついた道を通っていくが、これは名鉄岡崎市内線が通っていた道路とのことだ。
▼足助行き
東岡崎から足助に行くバスに乗る。乗客10人程度で東岡崎を発する。東岡崎を出てすぐに乙川を渡るが、その先もしばらくは市街地となっている。少し走ると市街ではなくなるが、家は連なっていく、岩津は近くに岩津観音があり、名鉄挙母線があったときも駅の利用客が多かったという。岡崎方面に向かうバス停では待っている人が多かった。東岡崎から30分くらい走ってようやくあたりに緑の度合いが増してくる。やがて豊田市に入って、松平では「松平家発祥の地」と書いてあった。鮎釣りをしている人がいた。ここから先は道が細い部分もあって、この日はそれほど交通量は多くなかったが、紅葉で香嵐渓が賑わう時期はたいへんだろうと思う。足助追分で国道153号線と合流する。香嵐渓のあたりで降りる人がいたが、私は終点足助で降りる。終点まで乗ったのは私だけだった。
▼どんぐりの湯前行き(稲武・足助線)
すぐに稲武行きのバスが接続しているが、そのバスに乗っても稲武で時間が余るので、足助の街を少し歩くことにする。足助は10年前に路線バスの旅で来た以来である。足助の街は古い街並が残っているということで、それで売り出しているようだ。以前来たときはそういうことはしていなかったと思う。香嵐渓にも行ってみたが、川遊びやバーベキューをしている人が目立った。街中に停まっていた移動販売車で足助ハムのソーセージを買って食べた。
さて、10年前には稲武から足助まで稲武町営バスに乗った。今、稲武町は豊田市に編入されて、バスも豊田市のコミュニティバスであるとよたおいでんバスに再編されている。足助病院から香嵐渓を経由して来たバスで、先客が一人いた。少し走って、新盛では小渡行きのバスが待っていた。ここで接続をとっているのだ。新盛バス停の周辺は特筆すべきような何もない場所で、こういうところでのバス接続はぐっとくるが、乗り換える人はいなかった。郡界橋を過ぎて旧稲武町に入る。稲武町は元設楽郡で、豊田市と合併する前に東加茂郡になっているのだが、郡界橋の名前は健在であった。その後数人が乗ってきた。稲武の中心地に入って、市役所の支所の近くにある稲武で下車。ここが、稲武地域のバスの運転拠点となっている。10年前にはなかった待合室ができていた。
▼根羽行き(根羽線)
稲武から乗るのは、愛知県と長野県を結ぶ唯一の一般路線バス、豊田市のコミュニティバスであるどんぐりバスである。どんぐりの湯前から来たバスで、バスの車体は小さかった。稲武に着いたときは中学生らしき先客が一人乗っていた。さすがに、長野県までは行かずに途中で降りていった。あとは私の貸切である。国道だけあって、道は整備されている。スムーズに進んで、長野県根羽村に入る。村役場の目の前にある根羽バス停に到着。
▼阿智校前行き
根羽では2時間以上の待ち時間がある。もっとも、ここで20時間も待った偉大な先人がいる。私は、昼ご飯を食べて、そのあたりを散歩して、なんとか時間をつぶした。村役場の前に公衆トイレがあるので、その点での心配はいらなかった。
根羽からは西部コミュニティーバスに乗る。地元の根羽観光が受託しているようだ。根羽観光バスの営業所は目の前にあるのだが、なんとも田舎的というか、15時になってもバスは来ず5分遅れでようやくバスがやってきた。根羽村の時点では乗客は私だけだったが、平谷村に入って、客が乗ってきた。その後も数人程度の乗り降りがあり、それなりには利用されているようである。バスは国道153号線を走っていくが、旧浪合村の中心地によるために国道から細い道に入っていく。今は阿智村になっている旧浪合村は人口700人余の小さい村で、中心地でもその中心具合がよくわからなかった。国道に合流し、寒原峠を越えて、阿智の中心地に向かっていく。阿智村の昔からの中心地だと思われる伍和入口で下車。定刻よりも3分くらい遅れた。次の学校前で乗り換えるのがセオリーのようだが、学校前という漠然とした名前のバス停で乗り換えるよりはこちらのほうがいいと思ったので。ここで降りたのは私だけで、7人くらいの客が乗ったままだった。
▼飯田駅前行き
昼神温泉から来たバスに乗る。先客は少なかったが、学校前で乗ってくる客が多かった。学生が多く、ぱっと見た感じだと、先ほどのバスから乗り換えてきたと思われる客は少なかった。国道沿いのバス停で、悪く言えば面白みがなさそうな場所だった。学校前を過ぎるとすぐに飯田市に入る。飯田山本インターチェンジという知らなかったインターチェンジがあったが、2008年にできたそうだ。このあたりはまわりに人家も少ない。飯田インターチェンジがある伊賀良はそれなりに人家も多い。切石駅前を過ぎて飯田駅に通ずる細い道を通って、飯田駅前に到着。
数年来の念願だった愛知から長野への路線バス乗り継ぎが滞りなく行えてよかった。何と言っても、豊田市のコミュニティバス路線網の充実ぶりと、それにつながる西部コミュニティーバスが休日でも最低限の本数を確保しているのが大きい。