前回の続きで、輪島を起点として奥能登を一周する。
輪島駅(石川県輪島市)←bz30 ↓能登中央バス(740円・約30分) 穴水駅前(石川県穴水町) ↓奥能登観光開発(1660円・約95分) 珠洲鉢ヶ崎/鉢ヶ崎(石川県珠洲市) ↓奥能登観光開発(730円・約40分) 木の浦(石川県珠洲市) ↓奥能登観光開発(800円・約40分) 曽々木口(石川県輪島市) ↓奥能登観光開発(740円・約40分) 輪島駅(石川県輪島市)←bz30
輪島から穴水へと行くバスに乗る。もともと同区間にはのと鉄道七尾線が走っていたが、2001年に廃線された。その代替バスがが当バスである。乗客は輪島駅を出た時点で7人ほどだった。輪島から穴水までに、能登市ノ瀬、能登三井と駅があったが、それぞれ市ノ瀬、三井駅前というバス停がその代わりの役割を果たしている。三井駅の駅舎は「杜の駅」という施設になっていた。駅の近くではない場所からの乗り降りも多少あった。輪島線跡とほぼ並行しているが、線路は既に撤去され、何とかその名残がわかる程度だった。
穴水から珠洲市の蛸島までも、2005年にのと鉄道能登線が廃線となっている。その代替バスに乗る。乗るのは「奥能登快速」という系統の珠洲鉢ヶ崎行きのバスである。能登線の代替バスは系統が複雑すぎて、正直理解できないのだが、その中でも穴水と珠洲の間を速い時間で結ぶ、というのがこのバスの特徴だと思う。穴水駅前から乗ったのは6人だった。
能登線は七尾線末端部と比べると、廃線からの経年が短いせいか、踏切や線路が残っていた。穴水駅前を出て少しすると海が見えるが、比良駅前を過ぎると山の中に入る。能登線は海側の集落を回って走っていた。こちらは別の系統のバスがフォローしている。山の中なので人家が少ない。たまに人家があるかと思うとバス停も存在するが、快速便なので無視して通り過ぎる。鵜川からは能登線のルートと合流し、海際を走るようになる。七見駅などは、事情を知らなければまだ現役で使われている駅のようだった。能登町の中心である宇出津駅前に到着。ここで休憩となる。宇出津の駅舎は残されていた。「半島の夢のせ走るマイレール」という看板がもの哀しい。宇出津を過ぎると再び山の中に入り、能登線のルートからは外れる。松波で再び合流。松波城址公園口は旧松波駅の前にあるバス停で、ここで初めて人が降りた。ここから少しすると珠洲市内に入る。能登半島の外れとは言え、珠洲市の中心部はさすがに市っぽかった。旧珠洲駅前にあるバス停は昭和橋、旧蛸島駅前にあるバス停は弁天公園前となっていた。蛸島駅の駅舎は店として活用されていた。ここまで来ると終点珠洲鉢ヶ崎も近い。ホテルの敷地内に到着。
今度乗る木の浦行きのバス停は珠洲鉢ヶ崎バス停には停まらない、ということで、少し離れた鉢ヶ崎バス停からバスに乗る。定時より5分ほど遅れてやってきた。そこそこ客は乗っていた。以前、蛸島から狼煙までこのバスに乗ったことがあるが、記憶はほとんどなかった。当時はJRバスが運行していた。海の際を走る。やがて山に入る。ランプの宿に入るところは覚えていた。やがて禄剛崎の登り口になる狼煙に到着。以前乗ったとき、JRバスのフォトラリーというものが開催されていて、狼煙がそれの対象地だった。その対象地を目指す人、十人弱と乗り合わせて、狼煙で共に降りた。私はフォトラリーに参加していなかったのだが、写真を撮ってくれと頼まれ、撮った覚えはある。今日は誰も乗り降りせず、あたりに観光客らしき姿すら見えなかった。能登折戸を経て、木の浦に到着。木の浦はauの携帯電話も圏外になっていた。まさに奥能登の奥の奥である。
木の浦で曽々木口行きのバスに乗り換える。このバスが1日3便しかない。逆に曽々木口から来たバスから私が乗ってきたバスの折り返しとなる珠洲方面に行くバスに乗り換える人が一人いた。乗換客がいれば、接続している甲斐があるというものだ。ずっと海沿いを走る。途中、ゴジラ岩という岩があった。確かに角度によってはそう見える。また、塩田が多かった。最後まで客は乗らず貸し切り状態だった。
曽々木では時間が有り余っていたので、下時国家と上時国家を見学する。以前、宇出津から輪島まで行くバスに乗ったときに通ったが、見学することはないだろうと思っていた。今回はそれくらいしか見るべきものがないので行ってみるしかない。興味のない人からすればあえて時間を作って見学料を払ってまで中を見学をすることもない名所かと思った。上時国家のほうは定期観光バスも停まっていた。上時国家は今でも他にあたりを散策して時間をつぶし、宇出津から来た輪島行きのバスに乗る。先客は一人だけだった。名舟というところには太鼓があり、上杉謙信が攻めてきたとき、太鼓を打ち鳴らして迎撃したらしい。上杉謙信もこんなところまで攻めてきたとは。途中で何人か人が乗ってきて、輪島駅に戻った。
6年ぶりの奥能登だったが、今回は一周が主目的だったので、機会があれば能登線代替バスの別系統にも乗ってみたいところである。