1978年の最長片道切符の旅  第14日 池袋→代々木 2004/07/31

前書き

前回から一週間後、土日を利用し東京近郊を回る。今日も日帰り。池袋からさんざん遠回りをした挙げ句に代々木まで行く。今日は青春18きっぷを使わずに、普通乗車券を買うことにした。東京近郊区間は経路を問わず最短距離で運賃を計算するという制度を活かして、池袋から代々木まで、150円の切符を自動券売機で買う。

志木から東上線で一本、池袋まで乗って、ここから旅を再開する。

本編

池袋(5:56)→新宿(6:05) 552G

池袋から新宿までは毎日のように通勤で通る区間だ。普段は埼京線に乗るが、並行して走る山手線でも沿線風景はほとんど同じだ。乗客はけっこう多い。立って乗った。

新宿(6:08)→西国分寺(6:49) 525T

新宿からは中央線に乗るのだが、この時間は中央線は各駅停車で、緩行線のホームからの発着となっていてとまどった。各駅停車の高尾行きに乗る。ホームには大勢の人がいたが、座ることができた。各駅停車なので大久保や東中野にも停まる。東小金井のあたりでは、かなり大規模な工事が行われていた。

国分寺では中央特快に抜かされる。中央特快は西国分寺には停まらないので、そのまま抜かされるしかない。それは承知していたのだが、もう一本、特急にも抜かされた。予定外なことで驚いたが、臨時列車の特急[あずさ91号]白馬行きのようだ。そのため、私が立てた予定よりもいくらか遅れて西国分寺に到着。

西国分寺(6:50)→南浦和(7:18) 697E

なんとかこの列車に間に合った。西国分寺での乗り換えは何度もしているので、迷いはない。海浜幕張行き。そこそこ乗る人は多かったが、座席の確保は余裕でできた。

それにしても、トンネルが連続する。新秋津まではトンネルが続く。新座は南口はだいぶ開発されたが、北口のほうには畑が残っていて、わりとのどかだ。次の北朝霞は、東上線朝霞台駅との乗り換え駅で、私もよく利用する。乗ってくる人が多かった。武蔵浦和では埼京線への乗り換え駅だが、当時はそんな路線はなかったので、無視する。次の南浦和で下車。

南浦和(7:24)→浦和(7:26) 616C

南浦和から、京浜東北線に乗って一駅、浦和まで行く。「原典」では大宮まで京浜東北線で行っているが、当時は朝夕を除くと高崎線は浦和に停まらなかった。湘南新宿ラインもそのうち浦和に停車するようになるから、浦和の地位は向上しているということになるのか。座ろうと思えば座れたが、一駅だけなので立って乗った。

浦和(7:34)→倉賀野(9:04) 833M

浦和からは高崎線に乗って倉賀野まで行く。先に行った宇都宮線の列車は空いていたのだが、この列車は高校生が多く乗っていることもあって空席を見つけるのが困難な状況。それでも空席を見つけて座った。さいたま新都心はすっかり、さいたまの都心っぽくなっている。それにしても、あんまりな駅名だ。大宮ではやはり人が多く乗ってくる。座れない人もでてきて。座席確保を考えると、浦和で乗り換えるほうがいいのだ。

宮原では特急[水上1号][草津1号]の通過待ちで4分の停車。当時は特急の本数は多かったが、新幹線ができた今、特急の本数は少ない。上尾で高校生の団体が降りるなどのまとまった降車があって、だいぶ空いた。と、思ったら、桶川で小学生の団体が乗ってきた。北鴻巣には「通勤新線を誘致しよう!」と書かれた看板が立っていた。具体的に何かしているというわけでなく、とりあえず看板を立てているのだろうか。このあたりまで来ると田んぼが目立ってくる。

熊谷では臨時快速の越後湯沢行きの通過待ちを行った。倉賀野には停まらないので乗り換えるわけにはいかない。小学生の団体を初め、この臨時快速へ乗り換える人が多かった。臨時快速はそれなりに混んでいるようだ。

ここで、何回か車内でアナウンスされていた、グリーン料金がいらないグリーン車へと席を移してみる。10月からはグリーン料金をしっかり徴収されるので、乗るならばこの機を逃すべきではない。行ってみると、2階の窓側の座席が空いたので、ここに落ち着いた。他の車両もそこそこ混んでいる中で、このような一等席が空いていたのはラッキーだった。ただ、短距離を乗るのであれば、いちいち階段を上り下りしなければならないグリーン車は敬遠されるかもしれない。階段を上り下りする必要がないグリーン車の座席もあるが、数は少ない。確かにグレードは高いが、グリーン料金を払ってまで乗るとなると疑問である。もっとも、長距離通勤の客は重宝するのであろう。2階ということで目線が高くなるわけだが、走行中はそれをあまり感じない。駅に停車中はそれを実感できる。

神流川を渡ると群馬県に入る。新町を経て、八高線の北藤岡が見えると、すぐに倉賀野に着く。

倉賀野(9:17)→高麗川(10:49) 230D

2両編成。前の列車との運転間隔が短いということでこの列車に乗ることを選んだのだが、乗客は多かった。北藤岡まではさっき来た道を逆戻りするということになる。群馬藤岡を発つと、また神流川を渡り埼玉県に戻る。ほんの40分弱の群馬県滞在だった。群馬県側は日射しが強かったのだが、埼玉県に入って日射しが弱くなったように感じた。

しばらくすると寄居に到着する。手前で秩父鉄道が寄り添ってくる。三つの事業者が乗り入れる駅は埼玉県では寄居と大宮だけである。しかも、三線のホームはほぼ並行している。東武東上線の車両を見て、一気に現実に引き戻された気分になった。

寄居を出ると東上線とは離れるが、竹沢を過ぎたあたりで東上線が近づいてくる。小川町では東上線が乗り入れ、池袋行きの列車が停まっていた。ここで降りる人は多い。越生では東武越生線に接続する。車両は東上線のものと変わらない。坂戸行きが停まっていた。

毛呂を過ぎると、終点の高麗川である。高崎から高麗川まで通しで乗る人も割といるようだ。

高麗川(11:06)→拝島(11:35) 1072E

半分くらいの人が高崎からの列車から八王子への列車に乗り換えた。かつては当たり前のように直通運転をしていたのだが、八高線の高麗川−八王子間が電化されてからは、八王子から川越へ直通するようになり、八越線となっているのが実情である。電気が通っているもの同士が仲良くしている形だが、川越方面からの乗客は少なかった。高麗川で乗客が倍増する。旧型の車両だった。

高麗川を出ると、林の中に入る。そして下り坂にさしかかる。だいぶ下った。山手のほうに住宅が見えてきたら東飯能に到着。いきなり降りる人が多かった。金子では交換のため3分の停車。「狭山茶どころ」という看板が立っていた。東京都に入り、横田基地をかすめ、乗客を増やしていって、拝島に到着。ここで乗り換える。

拝島(11:39)→立川(11:50) 1160T

拝島からは青梅線の立川行きに乗る。10両編成だが、だいたい座席が埋まっている。乗車時間が短いので立って乗る。沿線に家が密集していて、八高線沿線とはまるで違う。定期的に東京への直通列車が走っている故だろうか。途中から乗った人はそれほど目立たなかったが、編成が長いから総数で見ればけっこう乗っているのかもしれない。

立川ではそばをかきこみ、午前の部を終了とする。

立川(12:08)→尻手(12:59) 1248F

立川からは南武線に乗る。6両編成。立川を発した時点でほとんど座席が埋まった。ロングシートな上、日射しを避けるためにブラインドを下ろしてあるから、満足に車窓を見ることができない。こういう状態が1時間くらい続き、この旅で最もつまらない列車への乗車、と言えるかもしれない。

津田山のあたりで中学生の団体が乗ってきて、車内が混み出す。これより先は川崎に向けて客が増えていく傾向にある。次が尻手というところで、立っていた中学生がバランスを崩し、座っていた私の手に尻があたった。「尻手事件」と名付けるにふさわしい出来事だ。

尻手(13:05)→浜川崎(13:12) 1304H

尻手からは南武線の支線に乗る。通称浜川崎支線と呼ばれている。オンボロの車両が行ったり来たりしているのかと思ったら、なんと新型の車両だった。浜川崎支線にこんな車両が配置されているとは。全線乗り通しても7分の短い路線だから、少しもったいない気がした。乗客はそれほど多くない。八丁畷、川崎新町を経て、終点浜川崎に到着。浜だけに浜の香りがした。駅前に浜川崎商店という店があったが、今日は休みのようだ。ほんの少し雨が降っていた。

浜川崎(13:34)→鶴見(13:47) 927M

浜川崎は南武線浜川崎支線と鶴見線の駅が少し離れている。当時は駅員がいたようだが、今は無人駅のようだ。JRの職員がいたので改札業務をしようと思えばできるが、そこまではしないのであろう。ちょうど扇町行きの列車が行くところだった。その折り返しの鶴見行きを待つ。時刻表を見ると、7時台、8時台、17時台の列車が多い。

やってきた列車は3両編成。空いていた。武蔵白石のすぐ先で大川支線の線路と合流する。かつては武蔵白石にも駅があったが、今はなく、次の安善で分岐する形となっている。安善の北側は住宅地だったが、あとは工場に挟まれて進み、浅野に着。海芝浦支線の線路とは少し先で合流するが、浅野には海芝浦支線の駅がある。鶴見小野のあたりから住宅地に囲まれるようになる。鶴見川を渡って、国道沿いにある国道駅を過ぎると、終点鶴見に到着。

ここでは一大イベントが待っていた。前述の通り、私が持っている切符は池袋から150円区間の切符である。その切符で神奈川の工業地帯を通っているわけだが、それは規則に則っているものであり違反行為ではない。とはいえ、怪しい行為と思われても無理はない。できればその説明をせずに済ましたいものだが、鶴見駅の鶴見線ホームから京浜東北線ホームに行くには中間改札を通らなければならない。当然、自動改札は通らないから、有人改札を通る必要がある。説明すれば通してくれるだろうが、向こうもやれやれとは思うだろう。そういうことで、写真を撮って、有人改札が空いたと思ったタイミングで意を決して赴いたら、駅員が奥の方に引っ込んでしまった。呼び止めるのもおかしいので、そのまま有人改札を通り抜けた。

鶴見(13:51)→品川(14:09) 1324C

鶴見からは京浜東北線の快速大宮行きに乗る。快速運転は浜松町からなので、品川で降りる私にとっては各駅停車だ。座れた。川崎を出ると、多摩川を渡って東京都に入る。東京都に入ると、乗客が増えていった。

品川(14:10)→代々木(14:27) 1307G〜1407G

座席がほとんど埋まっていたので立って乗った、一部の区間は通勤で毎日乗っている。降りる人も多いのですぐ席が空くが、乗る人も多くすぐ席が埋まる。ずっと立って乗っていくことにした。

代々木で下車し、例の切符を自動改札に入れたが、入札してから時間がだいぶ経っていたせいか通れなかった。有人改札で切符を渡し、今日の行程は終了。

後書き

ここからは定期券を使って山手線に乗って、新宿に寄りつつ、家に帰った。


初出 : 2004/11/13
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