1978年の最長片道切符の旅  第27日 三次→岡山 2004/09/19

前書き

早朝の三次の街をホテルから駅に向けて歩く。駅前にはちょうど東京から来た夜行バスが停まっていた。

本編

三次(6:25)→府中(8:11) 1722D

三次から福塩線に乗る。厳密には塩町から福山までで福塩線だが、全列車が三次始発となっている。例のキハ120、1両編成。私の他に高校生が6人乗っていた。雨が少し降ってきた。

塩町、三良坂と高校生が乗ってくる、雨の降りがだいぶ強くなってきたようだ。この高校生は吉舎で下車。そういえば、以前に乗ったときも吉舎で高校生が降りていった。ここで3分停車。

やがて白壁の街並みがあるという上下に到着。ここから乗ってくる人が多い。それでも席が埋まるには至らない。

外の気温が低いからだろう、長いトンネルを抜けると窓ガラスが曇る。その曇りを少しづつ降る雨が消している。府中に着いてみると、雨はだいぶ強く降っており、その雨にさらされながらの乗り換えを余儀なくされた。

府中(8:14)→倉敷(10:02) 234M〜1742M

府中からは普通列車の福山行きに乗る。古いロングシートの車両かと思ったら、そこそこ新しい転換クロスシートの車両だった。そして、この列車は岡山行きと案内されていた。どうせ倉敷まで行くのでこれは好都合だ。乗り換え客もそれなりにいたが、それでも余裕があった。

府中以東は駅間距離が短くなる。そして、沿線の家の建て込み具合も違ってくる。乗客も各駅でまとまって乗ってくる。その多くなった客も、福山で三分の四くらいが降りていく。福山では福塩線のホームに到着した。ここから山陽本線を東に進むわけだが、その前に18分も停車する。それでも、福塩線ホームに停車しているというのがイレギュラーなためか、乗ってくる人はほとんどいなかった。

山陽本線を走るとさすがに太平洋ベルトだな、という印象を受ける。久しぶりに「陽」に来たのでそう強く感じるのかもしれない。倉敷、岡山方面に向かう人がどんどん乗ってくる。なお、福山からは姫路行きというアナウンスがなされていた。府中から姫路まで乗り換えなしでいけるわけだ。

新倉敷では岡山行きの快速列車に抜かされるために5分停車する。新倉敷でも多くの人がホームで列車を待っていたが、こちらには目もくれない。快速が目当てなのだろう。ただ、普通から快速に乗り換える人はあまりいなかった。数分早く着いても仕方がないということか。私も急いでいないのでそのまま乗っていた。新倉敷から西阿知を経て倉敷に着。

倉敷では時間があったので、美観地区に行ってみる。雨模様だったが、観光客はなからいた。駅に戻る途中に見つけた店で昼ごはんを食べる。

倉敷(11:32)→新見(12:20) 1019M 特急[スーパーやくも9号]

次に乗るのは、[スーパーやくも9号]である。岡山始発の特急だが、倉敷から乗ってもなんとか禁煙自由席の窓側に座ることができた。指定席は空いていた。

高梁川に沿って北上するにつれ、雨が上がり晴れ間が広がってきた。総社はそこそこ大きな街だが、あっさり通過する。どんどん進んで、最初に停まるのが備中高梁である。そこそこの人がここで降りていく。乗る人は見当たらなかった。

高梁川に沿って北上を続け、新見に到着。ここで下車する。何度となく来ている新見だが、ようやくこの旅本編での到達となった。

新見(13:22)→津山(15:05) 860D

新見から津山行きの普通列車に乗る。キハ120の1両編成。高校生などが乗っていて、二十人弱の乗客がいる。

次の岩山で早速何人か下車。次の丹治部でも高校生が下車。近くの小学校で運動会をしていた。刑部でも二人が下車し、一人が乗ってきた。

旭川と新庄川が合流すると、中国勝山に到着する。湯原温泉や蒜山高原の玄関口で、4人が降りていった。以前この区間の列車に乗ったとき、この駅で大雨のため長時間停車したことがあった。そのときは、何もない寂しい駅で長時間停車して心細い思いをしたものだが、今は本屋に近い場所に停車して外の様子はうかがい知れるし、その間に一度バスで来たことがあるので、勝山に対する印象は変わっている。

久世は真庭地方の商業の中心地ということになっているが、それほど乗り降りはなかった。

その後の駅でも、少ないながらも乗り降りがあった。院庄のあたりまで来ると津山の都市圏に入ったということか、新興住宅や大型店舗が増えてくる。津山ではすぐに岡山行きの普通列車に接続しているが、これには乗り換えない。乗り換える人は皆無だった。

津山(15:52)→岡山(16:52) 901D 急行[つやま]

私が乗るのは、次の急行[つやま]。今となっては珍しくなった昼行の急行列車で、1日1本と稀少なうえ、周遊きっぷであれば急行券を買う必要なく乗ることができるので、あえてこちらに乗ることにした。2両編成で、リクライニングもしないボックスシートであった。21世紀にもなってこれで急行料金を取るのはおかしいような気もするが、発車前にみどりの窓口で急行券を買い求める人は多かったし、実際、だいたいのボックスが埋まるほとに混んでいた。

亀甲、弓削、福渡、金川と停まる。途中から乗る人は何人かいたが、途中で降りる人はほとんどいなかった。福渡から旭川にほぼ沿って走る。車窓から見える風景のほとんどがのどかなものだが、岡山に近づくと急に住宅が増えてくる。新幹線が見えるともう岡山に到着。

後書き

今日は岡山で泊まる。新見、三次と山間の小都市で夜を過ごしてきた身としては、岡山の華やかさに少しとまどってしまった。


初出 : 2005/03/13
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