静岡県は東海道近辺を東から西へと抜けたことはあるが、今回は山間の北部のほうに行ってみる。
浜松駅(静岡県浜松市)←bc07 ↓遠州鉄道(630円・約55分) 袋井駅(静岡県袋井市) ↓秋葉バスサービス(1200円・約80分) 春野町役場前(静岡県春野町) ↓遠州鉄道(630円・約45分) 山東(静岡県天竜市) ↓遠州鉄道(630円・約80分) 水窪町(静岡県水窪町)
久々に遠州鉄道のバスに乗ったのでとまどったのが、他とはカードシステムが違う。整理券を入口で取って、出口で整理券を運賃箱に入れてからカードをカードリーダーに挿入するのだ。入口にカードリーダーがないので困ってしまった。浜松駅から高校生の小団体が乗っていたが、浜松アリーナで降りていった。しばらく走って天竜川を渡る。今からこの川の上流にあたる山のほうへと行くのだが、ここから見える山は遠い。磐田駅まではぼちぼちと乗り降りがあるといった感じだったが、磐田駅で多くの人が乗ってくる。磐田の街で降りていった。磐田営業所は街の東の外れにある。ここからバスの運行本数が少なくなる。次のバスの乗換時間が短く、バスが遅れ気味だったので少し焦ったが、袋井駅に着いたのは定時だった。
秋葉バスサービスは静岡鉄道の子会社だ。バスカードは静岡鉄道のものが使える。袋井駅から乗ったのは三人だったが、遠州森町に着くまでに他の二人は降りた。このバスは天竜浜名湖鉄道の遠州森駅には寄らないが、戸綿駅の近くは通る。その後、遠州森町に到着。ここに秋葉バスサービスの本社がある。ここで二人が乗ってきた。遠州森町を出ると山道に入っていく。乗ってきた二人は森町内で降りていった。木が繁って光が届かないような道も走ったりして、周智トンネルを抜けると春野町に入る。この時間に春野のほうに行くバスだから誰も客がいないのかとも思ったが、春野から来たバスとすれ違ったら、車内に人はほとんどいなかった。春野町内で一人乗ってきた。バスの終点は気多だが、私はその手前で降りる。
春野町役場の近くにあるバス停の名前が、秋葉バスサービスと遠州鉄道で微妙に違う。遠州鉄道はここより天竜寄りの春野車庫止まりのバスが何本かあって、ここまで来るバスは少ない。秋葉バスサービスでは春野車庫には停まらないのでどこにあるのかわからなかったが、遠州鉄道のバスに乗るとそこに停まる。本当に車庫くらいしかなかった。このバスは秋葉神社に立ち寄る。神社にはそこそこ人がいたが、バスの利用客はいなかった。下島という方向転換するようなバス停で方向転換する。国道362号線を延々と行く。降りた人はいないが、乗ってきた人は多い。山東で降りた私がいちばん最初に降りた人だった。
西鹿島から来た水窪行きのバスに乗る。以前はJRバスが運行していたのだが遠州鉄道に移管された。船明のあたりから天竜川が見えてくる。横山のあたりで「秋葉神社 11Km」という標識が見えた。ここからは細い道もあったりする。天竜川に沿ってただ北へと進む。天竜川の流れに身を任せ、眠りの世界に入ってしまったらしく、気がついたら西渡に着いていた。時刻表には西渡でバスを交換することもあると書かれていたが、バスの乗り換えはなかった。ここまでで乗客は二人。ここからは天竜川と離れ、水窪川に沿うようになる。道が悪い。やがて、線路が見えてくる。JR飯田線だ。相月駅が見えた。城西駅前というバス停も通る。列車で通過すると駅のまわりに人家が少ないと思うだろうが、バスで来るとかなり人家が多いと思う。ただ、城西の中心は駅から少し北の城西本町バス停あたりで、ここには旅館もあった。ここまでが佐久間町で、少し行くと水窪町に入る。町に入って少しして、もう一人の客が下車。水窪の町の外れにある車庫が水窪町バス停で、そこが終点。
遠州鉄道のバスは630円が運賃の上限なので、格安と言ってもいい運賃で水窪まで来ることができる。私の手元にある時刻表によると、1999年3月に遠州二俣から水窪まで1470円かかっているので、そのときに比べると半分弱の運賃ということになる。
水窪からは飯田線で飯田まで出て、そこから高速バスで新宿まで行った。遠州鉄道はもう少し運賃の上限を上げたほうがいいのではないかと思えるほどだが、それでやっているのだからたいしたものである。