千葉県の房総半島に足跡を残す。最後はレアな乗り継ぎで外房から内房へと突き抜ける。
千葉駅(千葉県千葉市中央区)←bc02 | →bz24 ↓小湊鐵道(640円・約60分) 和楽の郷(千葉県長柄町) ↓小湊鐵道(520円・約30分) 茂原駅(千葉県茂原市) ↓小湊鐵道(690円・約45分) 大多喜車庫(千葉県大多喜町) ↓小湊鐵道(660円・約35分) 勝浦駅(千葉県勝浦市) ↓小湊鐵道(320円・約15分) 興津局前(千葉県勝浦市) ↓鴨川日東バス(620円・約35分) 鴨川駅前(千葉県鴨川市) ↓鴨川日東バス(790円・約40分) 湯沢(千葉県鋸南町) ↓鋸南町営循環バス(300円・約15分) 保田駅(千葉県鋸南町)
久しぶりの千葉駅だ。ここからアウトレットコンサート長柄行きのバスに乗る。アウトレットコンサート長柄とは、言うなればアウトレットモールだ。私の他にもう一人乗っていたが、次のバス停で降りる。ワンコインの100円。すぐに親子連れが乗ってきた。終点まで乗ると言っている。浜野のあたりまでは4年前の南関東一周編で乗った、八幡宿から千葉に行くバスのルートの逆を進むことになる。少しは記憶に残っているので懐かしい。浜野駅西口で時間調整。途中、草刈橋というバス停を通るのだが、その近くで草を刈っていた。こんなところにあったのかという帝京平成大学の入口を通り、終点の一つ手前である和楽の郷で下車。和楽の郷というのは言うなれば健康ランドだ。定時では9時58分着だが、もう10時になっていた。
茂原行きのバスは近くに停まっていた。降りたバス停で待っているとすぐにこちらにやってきた。この時間の乗り換えは土曜日にしかできない。和楽の郷の時点では私一人だったが、以降のバス停でけっこう人が乗ってくる。座席が半分以上埋まった。茂原高校入口で半分くらいの人が下車。郊外の大型店が周囲に集まっていた。あとはもう駅まで行く人である。
七人が乗車。茂原の郊外を抜けて、山間に入る。長南町に入って、「長南町ながいきウコン」なる催しをやっていて、車を駐車場に停めて歩いている人が多くいた。この何もなさそうなところに、ウコンのイベントでこれほどの人が集まるとは。バスは関係なく進む。なぜかこのバスは揺れが激しかった。大多喜の街中まで行ったのは私の他に二人。このバスは大多喜駅には寄らない。
13時発の勝浦行きに乗る。ところが13時になっても12時55分発の茂原行きが発車しない。13時を少し回ってから発車した。空き時間に大多喜の街中を歩いたときに沖縄っぽい風景を見たのだが、ここはウチナータイムで動いているのか。東京からそれなりに近いとはいえ、田舎だ。次に13時発の勝浦行きが来たが、乗ろうとした他の人に、街中を一周からしてからまた来る、ここで乗ると料金があがると説明していた。それは承知でここで乗ってもいいのだが、そこまで言われたら一周してくるのを待つしかない。果たして一周してきてきたバスには乗客は誰も乗っていなかった。ここで二人が乗る。
少し進むといすみ鉄道と並行して走り、やがて夷隅川と併走する。夷隅川といすみ鉄道を相次いで交差する箇所もあって、これは風景としては見応えがあった。やがて勝浦市に入る。勝浦市街に近づくにつれ乗客が増えてくる。急に開けて住宅地になる。国際武道大学入口バス停があったが、大学自体は少し離れているようで見えなかった。坂を下ってその先には海が見えた。やがて右手に勝浦駅が見えた。このバスは塩田病院前が終点だが、二人以外は皆駅で降りていった。
時間があったので海を見て勝浦の街を一回りし駅前のレストランでシーフードカレーを食べた。定食ものを食べるほど腹が減っていなかったのでカレーにしたのだが、うまかった。
バス乗り場にはたくさん人がいたが、興津経由市野川行きに乗ったのは私一人だった。駅を離れるとすぐに海が見える。さっき見たけど。夏は海水浴客で賑わうが、今は釣り人が少しいるだけだ。バスは最盛期の渋滞を想定してか、ゆっくり進んでいく。まるで牛の歩みだ。渋滞するほどではないが交通量は多く、頻繁に後ろから車に道を譲っていた。あんなにゆっくり進んでも、興津局前には定時より少し早めについた。
興津駅前始発の鴨川駅前行きに乗る。乗客は誰も乗ってこなかった。閉鎖された行川アイランドの前を通る。広々とした駐車場がそのままであった。一人乗って、一人乗って、二人降りて、一人乗って、という寂しい状況だったが、亀田病院前というまわりにバブリーな建物が建っているバス停で、若い女性をはじめ多くの人が乗ってきた。鴨川シーワールドでも乗ってきて、一気に車内が盛況になる。終点の鴨川駅前でこぞって降りた。
メインの方向幕には「平塚本郷」と書かれていて、「湯沢行き」と書かれた紙が前面から見えるバスに乗る。このバスに乗って湯沢まで行く。鴨川から鋸南町の湯沢まで直行するのは一日一本。途中の金束から湯沢まで行くバスが一日二本ある。鴨川市街で乗ったのは八人だった。
金束までで全員が降りていった。金束が終点という自動アナウンスがあったので、運転士に訊いてみたところ、やっぱり湯沢まで行くという。行ってくれないと困る。脇道にそれて、平塚本郷バス停で転回。家もそれほどない集落だったが、バスの利用客がいるのだろう。また来た道に戻って、富津市をかすめ、鋸南町に入り、終点湯沢に到着。金束の時点で運賃表に何も表示されなくなったので、運賃を訊いて、払う。バスは金束行きとなって折り返していった。
湯沢というところは近くに家はあるが、ほとんど何もないと言ってもいい場所にある。しかも灯りも乏しいので、日没が早い季節のこの乗り継ぎはおすすめできない。この日でもほとんど日が暮れていた。携帯電話は圏外だったが、モバイルライトが役に立った。バスは5分くらい遅れてやってきた。外は暗いが内は明るい車内の中で、何を阿呆なことをしているのかと一人思った。先客は当然のようにいなかったが、途中で一人乗ってきた。駅に近づくとさすがに灯りが増えてくる。保田駅で下車。
湯沢では、この旅はもっと昼が長い時季にやればよかったと思った。ただ、日帰りの気楽さで、天気がいい日を狙って来られたのはよかった。