路線バスの旅では栃木県は茂木、宇都宮、石橋の三点を結んだだけである。今回は、栃木県の北部に足を伸ばす。
JR宇都宮駅(栃木県宇都宮市)←bc15 ↓東野バス(1350円・約80分) 小川仲町(栃木県那珂川町) ↓東野バス(850円・約35分) 日赤口/日赤前(栃木県大田原市) ↓大田原市営バス(200円・約10分) 那須塩原駅(栃木県那須塩原市) ↓東野バス(390円・約15分) 黒磯駅(栃木県那須塩原市) ↓那須町営バス(500円・約30分) 伊王野小学校前(栃木県那須町) ↓東野バス(580円・約20分) 黒田原駅(栃木県那須町)
東武宇都宮駅から来た馬頭行きのバスに乗る。先客はゼロで、JR駅から三人乗った。氏家までJR東北本線に沿って北上するが、40分とけっこう時間がかかる。氏家駅では数分間停車。喜連川温泉行きのバスが停まっていて、客が数人乗っていた。その喜連川は「足利家ゆかりの地」と書かれている通り、喜連川足利氏が領した由緒ある街であるが、今はなぜかさくら市という行政地名になっている。小川仲町で下車。ここで私が降りたことによって、バスの客はいなくなった。東野交通は運賃が1000円を超えると50円刻みになるようだ。
西那須野駅行きに乗る。5分ほど遅れてバスが来た。客はいなかった。なかがわ水遊園という施設に立ち寄るが誰も乗ってこなかった。施設自体はそこそこ賑わっていた。途中、後ろから来た車に道を譲ったりして、ゆっくりと進む。大田原市中心部を抜けて、日赤口バス停で下車。結局、誰も乗ってこなかった。かつては、西那須野から大田原、黒羽を経て小川まで東野鉄道が伸びていた。大田原赤十字病院近くに「ぽっぽ道」という遊歩道がある。
近くにある店でラーメンを食べたり、中心部を歩いたりして1時間近くを過ごし、次に乗るのは大田原市営バス。均一200円だが運賃は降りるときに支払う。客は日赤前から乗った人を含め7人。以降、乗り降りがないまま、新幹線も停まる那須塩原駅に到着。
バスが着いた東口から次に乗るバスが発つ西口に移動する。東口が昔からの街、西口は那須、塩原方面の玄関口といった趣だ。今日は日曜日だが、今から温泉に宿泊すると思われる人で集まっている。ホテルの送迎バスや、同時刻発の塩原行きJRバスには客が集まっているようだが、この那須ロープウェイ行きのバスの乗客は私だけだった。そのままの状態で黒磯駅に着。黒磯駅から乗る人はいたようだ。
那須町営バス追分行きに乗る。均一500円というのは珍しい。一区間だけ乗っても500円だ。そんな客はいないだろうが。乗客は延べ四人だった。「次はXXです」といったアナウンスがない。私以外は常連の客のようで、だいたい「XXの前で降ろして」といって降りていく、自由乗降みたいなことになっているから、アナウンスの意味がないようだ。伊王野の集落に近づいた時点で、「伊王野小学校で降りる」と宣言して、下車した。
伊王野から那須町の役場がある黒田原に行くバスに乗る。数十年前は観光バスとして使っていたようなバスだった。経由する芦野は奥州街道の宿場町で、今でもその面影が残っている。ここで一人乗ってきて、このバスの乗客の総勢は二人だった。
東野交通に乗るのは初めてだったが、どのバスも乗務員の態度がよかった。難を言うとすれば運賃が高いことか。今まで栃木県北部は縁遠かったが、また行きたいと思った。