藤野駅(神奈川県藤野町)←bc05 ↓津久井神奈交バス(490円・約45分) 月夜野(山梨県道志村) ↓富士急都留中央バス(610円・約30分) 和出村(山梨県道志村) ↓富士急都留中央バス(950円・約40分) 旭日丘バスターミナル/旭日丘(山梨県山中湖村) ↓富士急行(950円・約40分) 御殿場駅(静岡県御殿場市)→bc08 ↓富士急三島バス(890円・約55分) 三島駅(静岡県三島市)←bz03 ↓箱根登山鉄道(380円・約25分) 沼津駅(静岡県沼津市) ↓富士急行(930円・約70分) 吉原中央駅(静岡県富士市) ↓富士急行(300円・約20分) 富士駅(静岡県富士市) ↓富士急静岡バス(680円・約50分) 由比駅上(静岡県由比町)→bc07
藤野駅6:57着の電車で来たので、7:00発のバスにはぎりぎりの接続である。私と同じ電車に乗っていた人も含め、客は十数人。見た感じでは、登山客2に対しその他1といったところか。運転士氏がゆっくりと登場した為、実際は少し遅れて出発。駅を出てすぐにかなり細い道に入る。対向車とすれ違うのもやっとである。そんなところにこのようなアナウンスが。「このバスは路線維持の為に物品販売を行っております。何卒趣旨をご理解の上、ご利用願います」。あのおせんにキャラメルは路線維持の為だったのだ。降りるときに確認したらレトルトのカレーなどがあった。これを買う人をいるかもしれないが、わかならいのは「きなこ 200円」。誰が買うんだ?途中、単線鉄道みたいな、バス同士のすれ違いの為の一時停止など、山間路線の醍醐味を充分に満喫した後、東野へ到着。東野はこの辺りでは大都会であり、旅館や床屋もある。ここは既に津久井町である。大河原入口で地元の人が降りると、バスの中は私以外は登山客だけになった。すぐに終点月夜野に到着。次のバスまで少し時間があったので、道志川の近くへ行く。釣り人が何人かいて、キャンプをしている家族が一組いた。私は川の水で顔を洗った。
月夜野周辺は私が以前に住んでいたところに比べればだいぶ拓けているが、それでも得難い自然がある。自然が非日常になっている日常に住む不自然。あと月夜野に行ったらこの看板を見よ(写真)。私はこういうの好き。バスの中で富士急グループのバスで使えるバスカード3000円を買う。運転士氏がいろいろと解説してくれた。私を含む五人が藤野から来たバスからの乗り継ぎで、もう一人釣り竿らしきものを持った若者が一人乗っていた。その客を相手に運転士氏は時刻表を配ったりしている。中学生が三十人ほど乗ってくるという話を聞いて、今日は学校があるということを思い出す。バスが進むにつれ、中学生が乗ってきだした。男の子は空いている座席に座っているが、女の子は立っている。普通、中学生の群といえば、うるさいものなのだが、ここでは一切喋らない、というわけではないがそれでも静かなものである。公な場所で騒がないように教育されているのであろうか。よそ者が何人か乗っていたので喋らなかったのかもしれない。途中、道志中学校に立ち寄る。降りた中学生を数えたら二十人ほどであった。私は富士吉田行きのバスに乗り換えるため、和出村で降りた。
和出村は近くに店があって、トイレもある。それでもバスを待つのには寂しいところである。橋があったので渡ってみたら、途中で板が仕切ってあって対岸へ行けなかった。しかもバスは少し遅れてやってきた。バスは山中湖を通るだけあって大型である。中山というバス停の近くに道の駅があったので、そこでバスを待てばよかったかもしれない。途中、いかにも地元のおっさんが乗ってきて、犬伏峠を越える。バスターミナルという言葉に誘われ旭日丘バスターミナルで下車。私を降ろしたバスはおっさん一人を乗せ、富士吉田方面へ向かった。
バスターミナルという言葉に誘われたのだが、ここはどうやら新宿行きの高速バスのターミナルのようである。速やかに旭日丘に移動。旭日丘では多くの人がバスを待っていた。時刻を確認しているところでバスが到着。バスに乗り慣れぬ人が運転士氏に早く座席に座るように怒られていた。このバスは以前に乗ったことがあるし、車では何度も往復しているので、あまり面白みがない。須走あたりで人がどっと乗ってきて、立客がでるほどである。御殿場では次のバスの発車時間までだいぶ時間があるはずだったので余裕を持っていたが、駅に着いたらなんと三島駅行きのバスが待っているではないか。多くの人が降りるのを尻目に悠然としていたのだが、少し慌てる。前の人が乗るときバスカードをカードリーダーに通してなかったようで怒られていた。よく怒る運転士だが、彼の苗字を見るとなんとなく納得した。
乗るときも降りるときも慌てていたのでちゃんと確認しなかったが、御殿場−三島間は富士急行と富士急三島バスが路線を持っているようであり、山梨県からの直通便は富士急行の担当なので、区間便は富士急三島バスであろう、と勝手に解釈する。以後の富士急グループのバスも本当にそのバスの担当かはあやしいが、間違っていたら指摘して下さい。この区間も以前乗ったことがあるので面白みはあまりない。御殿場線にほとんど並行している。ここでバスカードが尽きた。これなら5000円分を買えばよかったと思った。
三島から沼津へ行くバスは系統が多い。30分発大岡駅経由沼津駅行きというのがあったが、大岡駅がどこにあるのかわからなくて、ひどく遠回りになったら嫌だと見逃したら、実はそうでもなさそうだった。結局40分発旧道経由の沼津駅行きに乗ることにした。以前乗ったことがある系統だと思ったら、三島田町駅を経由した後は、全然違った。以前乗ったのは工場の近くを通ったり、高校の近くを通ったが、このバスは通らなかった。途中で走っているおっさんを発見。信号待ちのバスを追い抜かして、300メートルぐらい先のバス停でバスに乗った。暑そうだったが、それほど疲れている様子ではなかった。それにしても時刻表を見るとバスは10分に1本はあるようで、何も走らなくてもいいように思える。この旅をしていると、1時間に1本でも「多い」と思えるのです。
沼津では1時間45分ほど時間がある。とりあえずお昼ご飯を食べる。うどん屋に入るが、高校生が三組も入ってきた。沼津には若者が入るようなカジュアルなフードショップがないのだろうか。富士急百貨店にも行ってみた。感想は省略。雨が降ってきた。私が沼津に行くとなぜか雨が降る。沼津から吉原中央駅に行く系統は二つあるが、乗るのは市立病院を経由し、岳南鉄道に沿う路線のほうである。狭い道を往き、すれちがうのもやっとである。眠くなった、というか実際に寝た。途中で雨がだいぶ降ってきたので目が覚める。ついに客は私一人になった。やっぱり沼津から吉原まで通しで乗る人はいなかった。吉原の街は案外都会である。かつては吉原市という一つの市であったのだが、富士市と合併して、今では富士市にある一つの街である。吉原中央駅と聞いて、鉄道の駅と合点してはいけない。言うなればバスターミナルである。雨は止んでいた。
15分に一本に運行されている幹線である。吉原中央駅が始発ではないらしいが、どこが始発かはわかならい。市役所や病院など富士市の施設に立ち寄り、富士駅に着。
富士駅周辺を探しても由比駅方面へのバス乗り場が見つからない。廃止されたのだと早合点し、念のため案内所で聞いてみたら、すぐそこから発車するとのこと。よく見たら書いてあった。時間があったので周辺をぶらぶらする。イトーヨーカドーに行ってみたらにぎやかだった。どこに行ってもイトーヨーカドーはにぎやかである。この旅で立ち寄ったイトーヨーカドーは亀有に次いで二店目である。富士駅から乗ったのは私と女の人一人。駅前の道が大渋滞である。なんと車が多いことか。次のバス停で一人乗ったが、その次のバス停で女の人が降りた。富士川を渡るところでも渋滞になった。富士川町でまた一人降り、ついに私一人きりである。このバスは蒲原病院に寄るので、そこで誰か乗るかと思う。実際、バス乗り場に何人か人がいた。しかし、誰も乗らなかった。嗚呼、このバスは何を望みに生きていけばいいというのか。それにしても、誰も乗らないのにバスを運行させるほうがおかしな話である。運転士氏が独り言を言っている。いつも、独り言を言いながら、誰も乗らないバスを運転しているのだろうか。渋滞に巻き込まれたが、途中からは快調に飛ばす。「次は由比駅上でございます」のアナウンス。ここが終点のはずだが、その旨はアナウンスはない。とりあえず降車ボタンを押す。とても終点とは思えない場所でバスは停まった。私は680円を払ってバスを降りた。バスの時刻表には「9/1より興津行きは運休します」という張り紙が張ってあった。
朝に乗った中央線は登山客というかハイキング客がけっこう乗っていた。藤野から乗ったバスもそういう客が多かった。ところで、現在(2002/07/01)は藤野から月夜野まで行くのに2度もバスを乗り継がなくてはいけない。このときは藤野で「息継ぎ」をするために藤野回りにしたが、現在であれば三ヶ木から直接月夜野に行くだろう。そう思うと藤野まわりはけっこう無駄だったりするが、富士急バスへの接続がよかったのがこのルートだった気がする。
富士では由比に行くバスは廃止されたと早合点した。実はこのときは静岡県に入ることが目的で、これ以上先に行かなくてもいいと思っていたのだ。このときはここから西へ路線バスの旅をするとは思ってもいなかったのである。そういう気持ちがでてきたのは、由比から先への計画を立てた頃あたりからである。
また、2003/08現在、三ヶ木から月夜野に行くバスは1日2本しない。