この路線バスの旅で唯一行ったことがない政令指定都市が京都市である。そういうわけで、今回は滋賀県の石山から京都を目指す。その後は大阪方面に向け、最終目的地を大阪空港とする。大阪空港だと飛行機に乗って帰るのに都合がいい。
石山駅(滋賀県大津市)←bc29 | ←bc30 ↓京阪バス(220円・約25分) 浜大津(滋賀県大津市) ↓京阪バス(240円・約15分) 山科駅(京都府京都市) ↓京阪バス(240円・約15分) 東山三条(京都府京都市) ↓京都市営バス(220円・約25分) 京都駅前(京都府京都市) ↓京都交通(630円・約55分) 亀岡駅前(京都府亀岡市) ↓京都交通(830円・約35分) 余野(大阪府豊能町) ↓阪急バス(720円・約55分) 千里中央(大阪府豊中市) ↓阪急バス(210円・約25分) 豊中(大阪府豊中市) ↓阪急バス(210円・約10分) 大阪空港(大阪府豊中市)→bc11
石山駅は工事中でバス乗り場が少し駅から離れたところに作られていた。湖岸経由の西大津駅行きに乗る。石山から浜大津まで行くバスは京阪バスと近江鉄道がある。今回京阪バスに乗ったのは、単に次に来るバスが京阪バスだったからである。時刻表が分かれているのは事業者の都合からすれば当然かもしれないが、利用者としては不便だ。
それは小さめのバスだった。石山で六人が乗っていたが、降りる一方で、義仲寺までに全員降りていった。確かにここまでは京阪電車の駅からは離れている場所である。御殿浜で琵琶湖が見えた。湖岸経由で湖が見えなかったらあんまりだ。島の関のあたりで山の方に入っていく。県庁前、大津駅を経由する。大津駅で二人乗車。大津駅から坂を下って浜大津に到着。このバスは西大津駅行きだが、客は全員降りてしまった。
浜大津から山科まで行くバスは一日二本しかない。スルッとKANSAIのカードが使えるので、使う。山科までほぼ京阪京津線に沿って走る。JRだとトンネルで抜ける逢坂の関を越える。追分を過ぎると京都府京都市に入る。乗客は終始私一人だったが、四ノ宮に着く前に、私が降車ボタンを押していないにも関わらず、「次とまります」になってしまった。触ってもいないと思うのだが、何かの拍子で触れてしまったのだろうか。こんなことは初めてである。
四条河原町行きのバスに乗る。一時間に一本の間隔。始発の山科駅からの時点で乗っている人は多かったが、途中からも乗ってくる人が多い。席はほとんど埋まっていた。地下鉄が並行して走っているが、バスを頼りにしている人がけっこういるということか。私は東山三条で降りたが、その時点までで降りる人はほとんどいなかった。
京都市営バス206系統に乗る。それほど乗客はいなかった。しかし、すれ違う206系統のバスはどれも混んでいる。立って乗るのもやっとというバスもあった。この時間帯は駅から各地に行く乗客が多いということか。八坂神社や三十三間堂など、京都の観光地を通る。京都市営バスは何かと評判が悪かったりするが、今日乗った限りではそれほどでもなかった。ただ、系統がわかりづらい。
市営バスを降りた隣が今度乗る京都交通の乗り場だった。京都駅を出た時点では乗客は五人。まずは阪急桂駅に向けて走る。途中細い道も通りつつ、約20分で桂駅に到着。桂駅でたくさん乗ってきた。ここからの道がまた細い。バス一台通るのがやっとというような坂道だ。ようやく太い道、国道9号線に出たときにはほっとした。このあたりまで前に市バスの洛西バスターミナルが走っていたが、やがて左折していった。こちらは国道9号線をひた走る。老ノ坂トンネルの手前、その名も老ノ坂バス停で多数が下車していった。トンネルを出てしばし田園風景が広がるが、篠のあたりから市街地にさしかかる。亀岡駅前まで行ったのは私も含め二人だけだった。亀岡で昼食をとる。
大阪府豊能町の役場がある余野まで行くバスに乗る。乗客はそこそこいた。京都学園大学に立ち寄る。山の上のほうには普通の住宅もあり、そこの住人だと思われる人が降りていった。学生らしき若者がバスを待っていた。おそらく亀岡の方に行くバスに乗るのだろう。コンビニエンスストアが近くに二軒あるが、学生街と呼べるようなものはなかった。法貫を過ぎると峠道にさしかかる。光が届かないような木々に覆われた道を走る。つぶれた食堂、レストランが多数あった。峠を越しても越して京都府のままだったが、何事もないようなところに府境があって、大阪府に入る。この時点で乗客は三人だった。やがて終点余野に到着。地図で見たときに想像したとおり、それほど大きくない集落だった。
先ほど降りたバス停から少し離れた場所にあるバス停でバスを待つ。案内図がバス停にあったので迷わなかった。直近の千里中央行きは13:43発54系統千里中央行きなのだが、次の14:00発28系統に乗ったほうが千里中央に早く着くと書かれた貼り紙が貼ってあった。その忠言に従い、54系統に乗ることにする。この17分の間にバスが数本過ぎ去り、また政治活動をする人の遭遇というハプニングもあったが、バスに乗るということには支障がなかった。余野から乗る人は私だけだったが、やがて乗ってきて、希望ヶ丘団地内でも数人乗ってきた。
希望ヶ丘団地を抜けると、細い山道になる。途中ところどころにまとまった集落があって、そこに住んでいる人たちのためにバスが通っているのだろうが、警笛ならせの標識を何度も見ることになるとは思わなかった。山道を抜けると粟生団地で、ここからはずっと市街地が広がっている。粟生団地のあたりで数人が乗ってくる。「はくのしま」と読む白島を過ぎると、千里中央まで停車しない。確かに停車しないぞ、というような道を抜けて、千里中央に着。
バス乗り場に行ってみると、ちょうど豊中行きのバスが待っていた。発車時間が間近だったので、それに乗ることにする。千里中央から豊中まで行くバスは何系統かあるようだが、私が乗ったのは32系統。千里中央の時点ではほぼ満席で、だんだんと人が降りていく。乗ってくる人はそれほどいなかった。通しで乗る人も何人かいたようだ。
日出町から来た大阪空港行きのバスに乗る。豊中では三人下車で、私だけが乗車。既に二人が乗っていた。一時間に一本しかないのもやむを得ない感じだ。どちらも空港に用事がなさそうな地元の人っぽかったが、私ともう一人の方が終点まで乗っていった。
今回は順調すぎるくらい順調だった。渋滞が多い京都を経由するということで、二の矢を準備しておき、それもだめだったときは途中で旅をやめることも考えていたのだが、考えすぎだったようだ。