この路線バスの旅において、富山県は今の南砺市を通り抜けただけ、という冷遇っぷりである。そういうわけで、今回は高山から富山県の二大都市を通って、石川県まで行く、という旅をすすめた。
高山濃飛バスセンター(岐阜県高山市)←bc41 ↓濃飛バス(1360円・約70分) 西里橋(岐阜県飛騨市) ↓濃飛バス(590円・約25分) 猪谷(富山県富山市) ↓富山地方鉄道(1130円・約55分) 富山駅前(富山県富山市) ↓富山地方鉄道(720円・約50分) 高岡駅前(富山県高岡市)→bz30 ↓加越能鉄道(460円・約35分) 砺波駅前(富山県砺波市) ↓加越能鉄道(1300円・約85分) 武蔵ヶ辻(石川県金沢市)→bc37 ↓北陸鉄道(200円・約10分) 金沢駅前(石川県金沢市)
高山駅隣の高山濃飛バスセンターから飛騨神岡高校行きのバスに乗る。神岡に行くバスというのはわかっていたが、高校まで行くバスとはこのとき初めて知った。実際、高山からその高校まで通うと思われる高校生が乗ってきた。片道1時間以上かかるのだから、たいへんだ。もう一人、明らかな旅行者っぽい人が乗って、三人でバスセンターを出発。高山市内で高校生やら一般の人やら、思った以上に乗ってくるが、一般の人は降りていき、高山市を出る頃、旧国府町を出る頃ということになるが、乗客は高校生と旅行者のみになっていた。古川は飛騨市の中心地ということになるのか。駅前は整備されていて、それなりに賑わっているようだ。高山から古川までの運賃は360円で、安い。ここから高くなる。国道417号線との分岐点を過ぎると山登りになる。高度を上げ、運賃も上がっていく。数河峠を越えると、旧古川町から旧神岡町に入る。中学生が乗ってきた。飛騨神岡駅前で例の旅行者が降りていく。私は神岡バス停で降りるつもりだったのだが、このバスは高校行きなので神岡バス停には寄らないようだ。そういうわけで、西里橋バス停で下車。
神岡から富山行きの特急バスに乗るつもりだったのだが、今月10日に富山から平湯温泉までの特急バスが開業したようで、その影響を受けて神岡から富山までの特急バスのダイヤが変わっていた。私が乗るつもりだった9時のバスは、猪谷で富山行きに乗り換え、ということになっていた。そういうわけで猪谷行きのバスに乗る。既に客が一人乗っていた。国道41号線をひた走る。もう一人は途中で降りていき、これ以上誰も乗らずに猪谷に到着。
猪谷は今となっては富山市になっている。富山市を延々と1時間近く北上するバスに乗る。猪谷を出た時点では乗客は三人。途中からけっこう乗ってくる。降りる人もいるが、乗る人も多い。笹津以北は高山本線からそれる。かつては、南富山から笹津まで地鉄笹津線が通っていた。総曲輪、富山市役所で降りていった人は数人で、だいたいの人が駅まで乗っていった。駅から道一本隔てたところで降ろされる。以前、神岡から特急バスに乗ったときもここで降ろされ、濃飛バスだから駅まで入れないのかと思ったのだが、地鉄バスでもここで降ろされるようだ。
富山、高岡を結ぶバスに乗る。とは言っても、両区間は北陸本線の普通列車が頻発しているので、バスで乗り通す人は希有だろう。終始5〜10人の乗客はいたが、乗ったり降りたりで、どこかで入れ替わっていたと思う。久しぶりに富山大学を見る。一回だけ、あの校舎に入ったことがある。二度目に入ることは許されなかった。高岡でも駅から少し離れた場所に降ろされる。
高岡から旧利賀村の下原まで行くバスに乗る。十人弱が乗車。途中、大きな集落はといえば戸出で、ここには東京行きの高速バスも停まる。JR城端線にほぼ並行しているわけだが、高岡を出ると砺波まで駅には寄らない。その砺波駅前で下車。ここでは四人が降りた。高岡駅前から乗った人のようだった。
砺波から金沢まで行くバスは一日二本しかない。そういうバスだが、福光駅前までは私以外に乗客はいなかった。福光駅前、福光東町から何人か乗ってくるが、ここからはJRバスも走っているので、本数は多くなる。福光からは私も三年前に乗っている。JRバスも含めると三度目の乗車である。途中で道が細くなるが、そういう部分に新しい道を造っていた。三年前に乗ったときは、森本駅で多くの人が乗ったのだが、今日は一人乗車、一人下車。森本からは交通量の多い場所を走るので、流れが悪くなる。流れがよくなるとかなりのスピードを出して走る。金沢中心部の橋場町で何人か下車。そして乗車。観光客風だ。一日二本しかないバスに乗っているとは思わないだろう。前回乗り換えをした武蔵ヶ辻で降りることにする。
武蔵ヶ辻でとどまっても仕方がないので、駅まで行くことにする。20系統金沢駅前行き。定時は15時40分のようだが、51分頃にやってきた。武蔵ヶ辻で降りる人は多かったが、それでもかなり混んでいて、立って乗った。渋滞の中をやっとで進み、金沢駅前に到着。
想定外のダイヤ改正があったが、旅程に大きな影響は与えなかった。富山では、福光から高岡、富山を経て更に滑川か五百石へ、という旅程を考えていたのだが、大雪のために実現できなかった。今考えると、本旅程のほうがよかったと思う。