大久保(兵庫県明石市)←bc12 ↓神姫バス(220円・約15分) 明石駅(兵庫県明石市)→bz21 ↓明石市営バス(200円・約15分) 明舞センター(兵庫県明石市) ↓神戸市営バス(200円・約10分) 舞子駅/高速舞子(兵庫県神戸市) ↓淡路交通(400円・約10分) 岩屋ポート/岩屋(兵庫県淡路町) ↓淡路交通(1150円・約70分) 洲本(兵庫県洲本市) ↓淡路交通(800円・約45分) 福良(兵庫県南淡町) ↓鳴門市営バス(920円・約45分) 鳴門郵便局前(徳島県鳴門市)→bc27 ↓鳴門市営バス(620円・約45分) 引田駅前/引田(香川県引田町) ↓大川バス(1020円・約90分) 高松築港(香川県高松市)→bc17 | →bz36
昨年の10月以来となる大久保の地に降り立つ。この前は加古川方面に行くバスに乗ったが、今回はその逆の明石方面に行くバスに乗る。先客が6人ほど乗っていて、しかも全員が勤め人風の男性だった。こういう客層は路線バスの旅では珍しい。だいたいお年寄りとか買い物客とかが多く、時間帯によっては学生も乗るが、勤め人風とはあまり乗り合わせない。これだけいれば何人かは明石駅まで行くかと思ったが、西明石駅で降りたり途中のバス停で降りたりで、結局明石駅まで乗ったのは私一人だった。
明石駅で腹ごしらえをして、明舞団地方面行きのバスに乗る。このバスは6の字運転をしているようである。すなわち、明石から明舞団地をぐるっと回ってまた明石駅まで戻るという運行をしているようである。本数は多いが、けっこう利用されているようで乗車率は高かった。バスは駅を出るといきなり坂を登る。だいぶ登ってやっと最初のバス停。ここで降りた人もいた。その後もけっこう乗り降りは激しい。明舞センターはショッピング街らしいが、朝早いのでどこも閉まっていた。
舞子駅行きのバスはほぼ30分間隔だが、次のバスが来るまでは27分ほどある。他の場所に行くバスは頻繁に来る。伊川谷高校経由伊川谷駅行きの後に伊川谷高校行きのバスが来た。数分もしないうちにまた同じ取り合わせ来て、いちばん最初に来たバスは混んでいたのに、後のほうに来るバスはかなり空いていた。なんか無駄である。舞子駅行きはまずまずの混雑度。舞子に向かうにつれ大混雑になるのではないかと思ったが、そうでもなかった。狭い道や坂道を走るが、しばらくすると平らな道を走る。明石海峡大橋が見えてくれば舞子駅はもうすぐ。実際、明舞センターから舞子駅まで12分。上に書いてあるの所要時間は二捨三入なので約10分。
高速舞子は淡路島方面から来た際に利用したことがあるが、高速舞子から乗るのは初めてである。ここまで予定より早い時間で来ているので、来たバスに乗ってしまうことにする。とりあえず鵜崎というところまで行くつもりだったので、そこに停まるであろうバスに乗ることにする。バスは来たがとにかく乗ろうとする客の数が多い。しかも乗る際に運賃を授受するシステムなので、乗るのに時間がかかる。高速舞子バス停は手狭なのだから、降りる際に運賃を授受するシステムをとったほうがいいように思う。私が鵜崎までと言うと、このバスは鵜崎には停まらないと言う。それでは乗るわけにはいかない。前に中年の団体が大人数乗っていたので、少しほっとした面はあった。そういうわけで、淡路夢舞台行きのバスに乗って、岩屋ポートまで行くことにした。先程のバスがハイデッカーだったのに対し、こちらは普通の路線バスである。無論、こちらのほうが路線バスの旅にはふさわしい。それにしても淡路夢舞台とは何なんだろう。名前だけ聞くと歌舞伎の舞台のようだが。その淡路夢舞台行きのバスもなかなか盛況で、ほとんど席が埋まった。バスは明石海峡大橋を渡る。片道三車線、計六車線の橋はかなり空いていた。淡路インターチェンジで高速道路を降りて、一般道を引き返すように岩屋ポートに向かう。岩屋ポートとは要するに岩屋港のことである。ほとんどの人が岩屋ポートで降りたはずだが確認はしなかった。
岩屋からは一般道を伝っていくことにする。岩屋発車時で乗客は十人弱。途中、最初に乗り換える予定だった鵜崎を通ったが、特に何もないところだった。そしてこのバスは淡路夢舞台も経由する。歌舞伎の舞台はなくて、ホテルや温室や国際会議場がある。ここで二人下車。さすがに淡路交通きっての幹線だけあって乗る人は多い。遂に立ち客まででたが、津名にあるしずかホールというバス停で多量に下車。近くにサティがある。終点洲本一つ手前の築地町でも多量に下車。ここは近くにジャスコがある。
次のバスまでだいぶ時間があるので、ジャスコに行ってみる。中にあるうどん屋は土曜日の2時まで半額ということで、元の値段も安いのだが更に安く昼ご飯を食べることができた。津名から来たバスに乗り込む。乗車率はまずまずといったところか。洲本インターチェンジでは高校生が二人下車。ここから高速バスに乗って帰宅するのだろうか。内陸部をひた走り、福良に着。福良には以前来たことがある。バスターミナルが新しくなっていた。
鳴門市営バスの福良バス停は淡路交通の南淡町役場前バス停に並んである。向かいにある図書館で時間をつぶす。福良から鳴門へ行く鳴門市営バスは一日三本しかない。淡路交通は一日一本。合わせると一日四本である。私の他にいかにも競艇場に行きそうな人二人を乗せて福良を出発。バス車内には吸い殻があり、別に禁煙とは書かれていない。実際、一人が車内でタバコを吸っていた。福良から淡路島南インターチェンジまでの道はけっこう景色がいいのだが、道が細い上に大型バスが頻繁に通るので、乗っているほうもはらはらする。大鳴門橋を渡るときは観光用のアナウンスがあるのだが、私も含め計三人とも聞いていない様子。鳴門競艇場で私以外の二人が下車した。私は終点の鳴門郵便局前で下車。
鳴門郵便局前からは徳島バスに乗って引田に行こう、と思っていたのだが、引田行きのバスの時刻が白で塗りつぶされていた。どうやら廃止されたらしい。仕方がないので予定より約一時間後の鳴門市営バスに乗ることにする。一時間待って乗った引田行きは大盛況で立ち客が出るほど。しかし、北灘の集落に差しかかると乗客が減り始め、北灘県境では私も含め乗客は二人。ほぼ国道11号線を走り、左手には瀬戸内海を臨むことができる。それにしてもこの距離を走って620円というのは、かなり安い。この安さが徳島バスを撤退させた大きな理由なのかもしれない。どういう運賃体系で運行されていたかは知らないが、鳴門市営バスに合わせていたのならば採算がとれないし、独自の運賃体系ならば誰も乗ってくれないし。あと、鳴門市営バスは徳島県のみならず兵庫県、香川県でバスを走らせていることになる。市営で三県にまたがって運行しているのは鳴門市営バスくらいだろう。
引田で少し時間があったのでうどんを食べる。17時閉店という店で食べた天ぷらうどんは、厚ぼったいかき揚げとか厚い衣の海老ではなく、天ぷら専門店でだすような天ぷらが入っていた。引田の車庫には既にバスが入庫していたので、誰もいないバスで発車を待つことにする。発車時刻5分前に運転士が到着。私一人を乗せてバスは定刻通りに出発。三本松でけっこう人が乗ったようだが、だいぶ意識が飛んでいる。後日長尾から三本松までバスに乗ったのだが、「こんなところ通ったっけ?」と思ってしまったほどである。長尾にある大川バス本社前からは気合いを入れ直したが、既に外は暗くなっていた。さすがに全区間を乗り通す酔狂な人は私くらいなものだったが、そこそこ利用されているようではある。引田から高松まで1020円も路線バスにしては安いと思うが、これは特急バスとの整合性をとる為であろう。その特急バスもJRと対抗する為にはあまり運賃を高くできない。引田から行くと高松市内までは1020円で、そこからは運賃が上がらない。長尾から高松までは琴電長尾線とほぼ並行するためか客は少なく、水田辺りから乗客は再び私一人となった。そして瓦町を過ぎると終点高松築港まではもうすぐ。運賃表示器に高松築港の文字が表示された瞬間、何とも言えない達成感がこみ上げてきた。
この日は神姫バスの夜行バスで三宮に入り、JRで大久保へ。高松まで長丁場だったが、割と順調に来ることができた。実はこの翌日、高松から坂出に行くバスに乗るつもりだった。
坂出行きのバス乗り場に行くと、何故か時刻表がない。ただ、バスポールがあるだけである。一応調べてある時刻まではバスを待ってみることにする。が、やっぱりバスは来ない。電話帳で調べた琴平参宮電鉄の高松出張所に電話をかけてみる。すると「電話をとりはずしたので次の電話番号にかけてください」という声が。指示された電話番号に電話すると男の人が出た。社名も名乗らずに。それでも朝8時頃だったので、出ただけよかったというものか。
聞いてみると2000年の10月に廃止されたとのこと。だったらさっさとバスポールを撤収しろよ、と言いたくなって、実際「バスポールがあるので紛らわしい」と言ってはみたが先方は無反応。高松から坂出に行くバスは一日十本くらいはあったので廃止されているとは思っていなかった。しかし、ないバスには乗れない。
他のルートをあたってみたのだが、土地に不案内だし、こういうときにあがいても余計深みにはまっていく。よって、ここで路線バスの旅を中断することにした
それにしてもこのあとどうしようかな。徒歩込みでなんとか先へは行けそうなのだが、続けるかやめるか。もう少し考えることにする。
と、当時つづっている。